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石じじいの話・短い話:かめをください;床屋の隣りは肉屋;掛け軸についてきた
石じじいの話です。
(1) じじいが、訪れた街で、唐津屋さんによって立ち話をしていました。
そこに、女性がやって来て言うには:
「一番大きなかめをください。背の高い男をひとり入れておくのです。」
店主は、何ごともないように、はいはいと言いながら、その女性を案内し始めました。
女性の話に興味をもったじじいは、あとで店主にたずねました。
「男をかめにいれるっちゅうんは、どういうことやろ?墓に埋めるんかな?そういう風習がここらへんにはあるんかな?」
店主は:
「ええんや、どうでも。欲しい人には欲しい物を売ってあげるんや。」
(2) ある人がじじいに言いました。
「うちの町は、床屋の隣に肉屋があるんだよ。」
じじいは、なんとなく、嫌な感じがしたそうです。
(3) じじいの知人が、デパートで幽霊の掛け軸を買ったそうです。
その知人言うには:
「この掛け軸を買ったときにな、ちいさな幽霊もついてきたんだよ。」




