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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・幽霊が出る

石じじいは、心霊話を信じていなかったと思うのですが、幽霊の話はよくしてくれました。


(1) おばけ傘を貸す寺があったそうです。

寺で貸してもらった雨傘が化けたのです。

檀家の人が、寺の寄り合いから帰るときに雨が降っていたので、寺から傘を貸してもらいました。

夜道を歩いていると、急に頭の上からバサっと長い髪の毛がたれてきたそうです。

また、別の人の場合は、上から女の逆さの顔が、急に目の前に降りてきたそうです。

また、別の人の場合は、後ろから冷たい手で首をしめられたそうです。

また、別の人の場合は、傘をさしているにもかかわらず、雨が素通しで降ってきてびしょ濡れになってしまったそうです。

また、別の人の場合は、フラッシュを焚かれたように傘の中が明るくなったそうです。

また、別の人の場合は、傘の中で、大音響で歌が響いたそうです。当時携帯用の音楽プレーヤーやラジオも無いのに。

また、別の人の場合は・・・・

きりがありません。

こんな、恐怖の傘が、処分されずに、毎回怪異が起きた後に寺に返却されるというのが、律儀というかなんというか。

しかも、そのような傘を、毎回、他人に貸す住職はなんなのか?

それに、そのような傘を、へいきで借りて怪異に遭遇する村人はなんなのでしょうか?

今、その傘はどうなっているのでしょうか?寺宝になっているのでしょうか?


(2) ネズミ捕りに幽霊がかかったことがあるそうです。

「枡落し」という仕掛けをご存知でしょうか?

その罠に、なにか動物がかかりました。枡のなかで、何かが逃げ出そうと動いてたのです。

これはネズミだろう、と思って、その枡に紙袋をかぶせて枡をもちあげました。

袋の中に、その捕らえられた動物が飛び出して暴れているらしく、ガサガサと紙袋が揺れています。

そして、すぐに、紙袋は動かなくなりました。

死んだか?と思って袋の中を見てみると、なにもいない。

空っぽでした。

ネズミの幽霊ではないか、イタチの幽霊だろう、いや、犬神ではないか、と議論になりましたが、ちょっと解せない。

枡から出られない「モノ」が、なぜ紙袋からは脱出できたのか?


(3) 幽霊が出る井戸があったそうです。

まあ、これは、よくある怪談話です。

それは古井戸で、水はあったのですが、つるべもなく蓋もされていない状態でした。

そこから幽霊がのぼってくるのです。

ある年の夏にひどい日照りがあってその井戸の水が涸れてしまいました。

水がない状態が数週間続いたあと、水は戻ったのですが、それ以来、幽霊はでなくなったそうです。

幽霊も干上がってしまったのでしょうか。

これで成仏?


(4) 百物語をすると怪異が起きたそうです。

いやいや、これは、昔から言われている怪談話です。

なにも、石じじいからわざわざ聞く話でもないのですが。

百物語が終わってみると、誰も座っていない座布団が一つあるということがあったそうです*。

同席の者たちは、「ここに誰が座っていたんだ?」と話あっても、思い当たる人物はいない。

また、女性を交えて百物語をすると、必ず怪異が起こったそうです。

これらは、よくある話で、元ネタがあるでしょう。

そうだろう?じじい。

*百物語が終わったら、知らない人間が一人いる。それはだれだかわからない。

参加者の人数を数えたら、最初のメンバーから一人増えているのだが、顔をみても知らない人間はいない。

という話は、定番のオチです。

もしかして、その増えた一人は自分なのか?

反対に、参加者が一人足りない(いなくなっている)というオチもあります。

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