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石じじいの話・短い話:殺す夢;四辻の方向
石じじいの話です。
短い話を2つ。
(1) ある男性が言うには:
その人が子供の頃、父親と二人で家にいたとき、
父親が、「自分の子供を殺す夢をみるんだ。」と言いながら、家中の鍵をしめはじめたそうです。
それを見て、子供の彼は、とても怖かったと。
(2) 日暮れ時に、四辻の方向に歩いていってはいけないのです。
「おかあちゃん!どこいくん?そっちにいったらいけんでっ!」
子供じじいは、叫びました。
(3) じじいが石探しのために山を登っていると、骨壷をもって山を登っている人に会いました。
これから、「納骨堂」に母親の骨をおさめにいくのだと。
興味を持った、じじいは、その納骨堂に連れて行ってもらうことにしました。
それは、山肌の岩に穿たれた横穴式の納骨堂でした。
いっしょに、中に入ったところ、その納骨堂の壁は全部、鏡張りだったそうです。
納骨する人が曰く:
「これで、死人は、この世に戻ってくることもないのです。」




