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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・踏切の黒い傘

石じじいの話です。


これは、じじいが経験した話です。


雨の日、じじいは、国鉄の踏切の近くの道路を、そこに向かって歩いていました。

町なかの主要路線だったので、かなりの頻度で列車が行き来しています。

踏切の反対側、踏切横の柵に、たたまれた黒いこうもり傘が引っ掛けられていました。

踏切の向こう側からスタスタと早足に歩いてきた壮健な感じの中年の男性は、その黒いこうもり傘を取りあげると、それをさして踏切をわたりはじめました。

しかし、その歩く速度が急に、ゆっくりになったのです。

ものすごくゆっくりと歩きます。

まるでスローモーションのパントマイムのようです。

彼の脚が悪いのか?

いや、踏切に入るまでは早足だったじゃないか。

その中年男性が、あまりにもゆっくりと歩いているので、そのうち列車が来るのではと心配になったそうです。

つぎの列車が来るまでにわたりきれるのか?

案の定、彼が線路内にいるときに、警報がなり始めました。

「あぶない!」とじじいは思ったのですが、そこまで走り寄ろうという気持ちはおこらず、ただ「だいじょうぶか!」とハラハラして見ているだけでした。

その男性が、やっとわたりきったとき、列車は轟音をあげて踏切を通り過ぎたのです。

間一髪。

じじいは、それを見て、安心したと同時に、「なんだか、がっかりした」そうです。

いやいや!いつもは、そんな悪想念はおきないし、また、おこすべきでもないでしょう。

じじいは、自分自身の考えに恐ろしくなり自己嫌悪におちいったそうです。

なにか、あそこに魔物がいたのだろうか?

それとも、その気持が自分の本質なのだろうか?

混乱したじじいは、とても不快な気持ちになったそうです。

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