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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・短い話:忘れたのか;魂を譲渡する;前世の死の記憶(ロシア、朝鮮)

石じじいの話です。


朝鮮で知り合ったロシア人から聞いた話ということです。

彼が、まだロシアに住んでいたとき:


(1) 冬、通りを歩いていると、「お忘れになりましたか?」と、急に後ろから肩に手が触れました。

振り向くと誰もいません。

しかし、そのとき、後ろから通りをやってきた馬三頭だてのソリに乗っている女性が、微笑んで彼に手を振っていたそうです。

ソリは、彼の横を走り去りました。


(2) 隠遁者のような老人が、彼に言ったそうです。

「魂は譲渡することができるのだ。」

「もし、お前も生きるのがつらくなったら、無理をせず譲渡すればよい。」

と。


(3) 隠遁者のような老人が、彼に言ったそうです。

「前世の死を忘れているのではないか?死は一度だけではないのだぞ。」

それは、キリスト教の考えではない、と彼が老人に返答したところ、老人が答えて曰く、

「元来、『罪』」というものはない。だから、神による救済には罪のゆるしも存在しないのだよ。 」

では、救済とは何か?と、知り合いのロシア人が問うたところ。

その老人曰く、

「それは、魂をこの世界の絆から解放して、その生まれ故郷である光の領域へ帰還させることである。」

老人の話はさらに続きます。

「この世に存在するすべての行為をなし終えるまでは、魂は、この世を創った天使たちの権力から自由にならないのだ。」

「そのため、人は、何度も生まれかわらねばならないのだ。」

「そして、行為において欠けたところがまったくなくなってはじめて人は解放され、世界を創った天使たちのさら上に存在する神のもとに到達するのだ。」

つまり、その老人隠者によると、人の魂はこの世での経験を何度も繰り返したあと救済されるのです。

輪廻転生によって、この世界のあらゆる経験をし終えたあとに救済がなされるというのです。


この話を聞いたロシア人は、この異端の理論に強い抵抗をおぼえたそうです。

わたしも、聞き取りノートからこの話をまとめていて、頭がクラクラしました。

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