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石じじいの話・短い話:死に掴まれる;滝の「マイナスイオン」
石じじいの話です。
じじいの経験した話を2つ。
(1) じじいが、知人の葬式の帰りに、急に体を掴まれたような感覚にとらわれたそうです。
「死の家から帰るときに、死の手に掴まれてのかもしれんね。」と、じじい。
(2) じじいが石探しのために沢を歩いていました。
その沢には、きれいな水が流れていて、ハヤが泳いでいます。
登り進むと、滝がありました。
まわりは緑の木々。流れ落ちる水が砕けて霧状になっています。
今なら、「マイナスイオン」たっぷりというとこでしょうか
滝つぼの水は澄んでいます。
やわらかい、おいしい水です。
爽やか気持ちになったじじいは、しばらく休憩をとりました。
陽の光をうけて輝く滝のしぶき。
涼しい風が木々を揺らす平和な世界です。
さあ!元気がでたぞ!
その滝を登ると、そこには死体が沢に浮かんでいたそうです。




