石じじいの話・博物館の収蔵品としての心中死体
残酷な話です。閲覧注意してください。
石じじいの話です。
男女の心中死体が、ある博物館に収蔵されていたそうです。
その死体は、完全な骨格で、博物館近くの森で発見された心中死体だったそうです。
死体の身元は不明。
警察は、そのまま、身元不明の死体として火葬にしようとしていたのですが、博物館側が引きとって収蔵庫に保管することにしたのです。
何年か保管して、近親者が現れないときには、博物館の人体標本として収蔵品にしようということだったのです。
そんなこと、可能なのでしょうか?
少なくとも、現在は不可能でしょう。
いや、昔でもこれは。
その博物館は、積極的に、それを公にして探すことはなかったそうです。
このことが公になると、社会によって批判されると恐れたからでしょう。
だったら、警察で火葬・埋葬したほうがよかったのでは?
死体には、まだ筋肉などの軟体部が残っていたらしいのですが、それをどうやって処理したのでしょうか?
つまり、だれが、どのような方法で、死体を骨格「標本」にしたのかが不明でした。
じじいが、この話を聞いたときの疑問でした。
そのような技術をもった職員が、その博物館にいたのかもしれない。
あるいは、誰かに依頼して、「骨格標本」化したのかもしれない。
死体から、大体の軟体物(筋肉や内臓)を取り除いておいて、残りを海岸の砂浜に埋めておくと、時間がたつと、うまく骨になるのだそうです。
海岸の砂でなくても、畑などの土に埋めておいても良いと。
また、水に長期間つけておいて腐敗させ、それを洗浄し、残っている腐った軟体部を丁寧に除去したあと、骨格を漂白するとよい、とか。
これは、じじいが教えてくれた技法です。
じじいは、その「心中標本」を、その博物館で見せてもらったそうです。
それは、若い男女の骨格でした。
骨に外傷はなかったと。
じじいが言いました。
「骨だけになった人間でも、年齢を知ったり、男女の区別ができるんで。教えちゃらい。」
教えてくれました。
ノートにも図解入で記録していますが、ここでは触れません。
ちなみに、ニワトリの骨格で雌雄を見分けるのはむつかしいとか。
「じいちゃんは、そがいなひょうほん、つくったころあるん?」と私。
「うーん、ないなあ・・・そがいなことはなあ・・・。」と、言葉を濁す、じじい。
じじい、あやしいぞ!




