石じじいの話・地獄変相図と葬儀屋(満州・朝鮮)
石じじいの話です。
満州の廟には地獄の図を彫像であらわしたものがあったそうです。
日本にも、地獄のジオラマがある寺院が各地にあるようです。
それらは、『パラダイス物件』として紹介されることが多いようですが。
満州のそれは、道教風の怪奇なもので、見物に訪れる人はかなり多かったようです。
生前、悪行を重ねると閻魔大王に裁かれ、地獄に落とされるという死生観は、日本と同様で、満州でもひろく信じられていたそうです。
閻魔大王の像は、日本のものとは異なり、怖い顔には作られてはいませんでした。
像の色合いも、顔は白塗りで、服やまわりの背景も、けばけばしく極彩色で塗られているのです。
日本で見る仏像などの地味な色合いとはちがって、かなり不思議な印象を受けたそうです。
そのような廟のある街には、いろいろなお店がありました。
当然でしょう。
お店には、文字の看板は少なく、商っている商品の特徴的なものを店先に掲示していたそうです。
おそらく、文字の読めない人のためだったようです。
葬儀屋の看板は、葬式のときに燃やす人形だったそうです。
これが、店先にぶら下げられていました。
わかりやすい。




