表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
石じじいの話  作者: Lefeld
289/595

石じじいの話・モンゴルのことわざ - その1

石じじいの話です。


じじいの話の聞き取りノートのなかには、意味がよくわからない短い文が、あちこちの残されています。

短い話ではなく、ことわざのような文です。

最近、これは、じじいが満州、蒙古を旅したときに現地人から聞いた「ことわざ、格言」であるということがわかりました。

ノートの中に、満州旅行の話の文脈で、その短い文が出てくるところがあったからです。

そのような「ことわざ文」のすべてが満州・蒙古のものかどうかは確実ではありません。

おそらく、朝鮮のことわざも含まれているでしょう。

ここでは、そのなかのいくつかを、満州・蒙古のことわざとして紹介します。


(1)『座って聞くより、行って見たほうが良い。』

これは「百聞は一見にしかず」でしょう。

しかし、これについては、じじいのコメントで、「家に座って、その現場に行かずに、話を聞いているより、じっさいに馬に乗っていって調べたほうが、実情を把握できる。」ということらしいです。

モンゴル人は、厳しい冬を越すために、家畜が死んでしまわないような、そして自分たちが無事に過ごすことのできる場所(冬営地)を夏の間に探しておくのだそうです。

水場が近くにあって、風を防ぐことができて、雪が積もらないところです。

そういう条件の場所を、夏のあいだに馬に乗って広く調べてまわるのです。

このためには、他人からそのような場所について話を聞くより、自分で探して、経験にもとづいて判断することが必須なのだとか。

上記の日本の格言とは、ちょっとニュアンスがちがう気もします。


(2)『牝馬が逃げても見つけるのは簡単だが、激怒すると落ち着くのは難しい。』

意味はわかります。「口は災いの元」ということでしょうか?


(3)『働けば、幸せになる。』

これは、わかる。


(4)『手を動かせば、口が動く。』

わかりにくいですが、(3)と同じようなものでしょう。

働けば、食べるものが手に入るということか。

怠惰を戒めています。


(5)『馬の世話のしかたを、父親に教える。』

「釈迦に説法」ということでしょう。

遊牧民の先生は、そこで生きてきた親です。


(6)『父の教えは金であり、母の教えは知恵である。』

(5)と同じような話です。

「知恵」は、父からではなく母から受け継ぐものだという。


(7)『金の隣の真鍮は、黄金色になる。』

わかるような気がします。

善良な人の影響を受けて、まわりの人たちも善良になる、という意味でしょう。

「朱に交われば赤くなる」ですね。

似たものとして、ペルシャ(イラン)のことわざとして:

「バラの美徳が土におよぶ」というのがあるらしいのです。

まわりが個人に影響を及ぼすのではなく、個人がまわりに影響を及ぼすのだ、という考えが新鮮です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ