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石じじいの話・短い話:足が冷える;三つ網み;獣たちが住む
石じじいの話です。
短い話をいくつか。
(1) じじいが石探しのために山の裾野をあるいていると、ため池に人が大勢あつまってさわいでいました。
子供の水死体が見つかって、岸にあげられていたのです。
その夜、じじいは足が冷えて眠れなかったそうです。
(2) 「死神は三つ編みだぞ」と、じじいに教えてくれた人がいたそうです。
(3) 高度成長期、町の近くの農村では、田畑が新興住宅街に変わりました。
造成地の近くの農家の老人は、じじいに話しました。
「この造成された街には、獣たちが住むようになるんだ。今は、山に住んでいるけどな。」




