石じじいの話・鬼の面(つら)
(1) 秋祭りで鬼の面をかぶって踊っていたら、本当に鬼になった人がいたそうです。
この話は、これ以上の情報はありません。
しかし、ノートの別のところに:
祭りの後に、ある男性が、友人を殺害して山に逃げた。
警察は山狩りをしたが、彼を発見することができなかった、という話がありました。
この話には、つづきがあって、その殺人犯が山に逃げたあとに、村人3人が行方不明になったということです。
これが、鬼になった人の話と関係するのか不明です。
(2) 鬼瓦が人を襲ったことがあるそうです。
庄屋の家だったという大きな屋敷の屋根には、立派な鬼瓦が取り付けられていました。
ある夜、村の会合が終わって、すこし酒が入って自宅に帰っていた男たちが、その屋敷の屋根を見ると、なにか動いています。
猫か、イタチか、と思って、それに石を投げつけたところ、その黒いモノは、唸り声をあげて屋根から彼らに向かって飛んできました。
そして、一人に噛み付いたのです。懐中電灯の明かりで照らすと、それは鬼の顔でした。
鬼の顔は、男たちに次々に噛みついて、けっこうな怪我を負わせて消え失せたということです。
その鬼には、胴体はなく、頭(顔)だけだったと、噛まれた男たちは口をそろえて証言しました。
朝、明るくなって、その屋根を見ると、鬼瓦はいなくなっていたそうです。




