石じじいの話・屈葬について補遺
石じじいの話です。
屈葬についての話が、聞き取りノートにありました。
屈葬の姿勢について。
山伏たちが峰入修行のときに、笈を背負ったまま眠るのを「猿子眠」というのだそうです。
この姿勢で眠ると、寒い夜でも風邪をひかないのだとか。
また、これは、よく言われていることですが、膝を折って屈葬の形で眠るのは、寝ている間に魂が抜けることを防ぐためだとも。
足腰をのばして眠ると魂が抜けやすいそうです。
魂が抜けると、その抜けたあとに、別のモノが入ってしまうこともある。
死者の霊魂、生霊さえも入り込む。
動物が入れば、憑かれたことになる。
最後の話に関しては、知り合いのロシア人の話として:
人狼となるのは、その人が眠っている間に、「狼の魂」が入り込むことによるのだと。
狼の魂が体に入っても、抜け出ている本人の魂が戻れないというわけではなく、それも自分の体に戻ることができる。
しかし、そうなると、狼の魂と本人の魂が混じって、その体におさまることになる。
それは、すでに人狼だ。
という話が、聞き取りノートに書き残されていました。
人狼には、生者だけがなるのでしょうか?
死者が人狼となって復活することはないのでしょうか?
そのような話を、じじいの話聞き取りノートに見かけた記憶があります。
今度、さがしてみましょう。




