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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・短い話:腕を折る;最後のお風呂;誰を飼うの?

石じじいの話です。


皆さんは、たまたま、行きずりの人たちの会話を聞いて、その内容がとても気になったこと、長く記憶に残ったことはありませんか?

窓口で順番待ちの行列で、近くに並んでいる親子の会話;

食堂でのとなりのアベックの会話;

バスの後ろの席の親子の会話;

などなど。

聞くともなく、何気なく耳に入ってきた話がどうも気になる。

そういう経験のある人は多いはず。


そのような話です。


(1) じじいが歩いていると、近くの小学校の下校時刻のようで、小学生低学年の男の子二人ずれが歩いてきて、じじいの横を通り過ぎました。

一人の男の子が、友達に話しています。

「ぼくの姉さん、先週ころんで右の腕の骨を折ったよ。」

それを聞いた友達が、

「左の腕はいつ折るの?」


(2) じじいは、温泉地も石探しのために訪れることがありました。

温泉地は、火山活動地域の場所も多く、マグマの活動でいろいろな鉱物が形成されていることがあるからです。

また、「湯の花」のような、温泉から析出物した鉱物が見つかることもあったのです。

温泉街を歩いていた時、家族連れと行きあいました。

夫婦と、その子供たちでした。

「この温泉、雰囲気があっていいわね。」妻が夫に言いました。

「最後のお風呂だからね。」と、その夫。


(3) じじいが石探しのために河原を歩いていると、親子が河原で石を集めていました。

同好の士かと思って様子を見ていると、どうも、彼らは、土饅頭の上に集めた石を積み上げています。

飼い犬のお墓だろうか?と、じじいは思ったそうです。

死んだ犬の死骸を河原に捨てる、埋めるというのは、昔はよく行われていました。

男の子が、大声で話しています。

「おかあさん、死んじゃったねっ!」

「次は誰を飼うの!?」


じじいは思わず、河原のすすきの陰に身を隠したそうです。

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