石じじいの話・死体鑑定法(閲覧注意)
この話には、死体がでてきます。
しかし、死体は、人の興味を惹きつけるようで、そのような展示会や海外の博物館は大人気です。
まあ、それも、悪いことではないでしょうけど、虫は大嫌いだけど、死体は大好き、というのもちょっとどうかと。
じじいは、石探し生活をしているときには、警察関係ともつきあいがあり、また、医学の知識もあったので、法医学的な話もしてくれたことがあります。
石じじいの話です。
じじい曰く:
山を歩いていると、動物の骨を見つけることがある。
猿の頭などは、骨になっていると人のものに似ているのでどきりとする。
しかし、人間と猿とは大きさがかなり違うので、それで区別がつく。
四肢の骨、たとえば大腿骨で見分けることができる。
二足歩行者と四足歩行者とでは、後肢の骨の形がずいぶんちがう。
それに、大腿骨の太さは、身体の大きさをよくあらわすのだ。
ただ、指骨で、人と猿を見分けるのは難しいかもしれない。
人間の子供の骨は、猿のように小さいこともあるが、猿サイズの人の骨は、ほとんど子供のものであり、骨端線や縫合線が閉じていないので、年齢が判明し、判別の基礎になる。
頭骨なら容易に区別できる。
ただ、猿の子供の頭骨ではは、猿らしい特徴が強調されていないので、人のものとちょっと見、間違うこともある。
野外での人の身体は、野生動物に荒らされてバラバラになっていることがある。
そのため、身体の各部分が、広い範囲に散らばっているといっても、単純に、バラバラ殺人とは判断できない。
動物によってつけられた切り傷のような痕跡(噛みあと)が骨に残っていることもあるので、その傷を刃物でつけられたものと見誤って犯罪だと決めつけないように。
骨の表面の風化の程度で、白骨化してからの時間を推定できることもある。
海岸で水死体を見つけたとき、その死体に大きな切り傷がたくさん残っていたが、それはサメによる噛み痕であったり、船のスクリューによってつけられたものであったりするので、この点も注意しろ。
などなど。
いやいや、じじい、こんなこと小学生に教えて、どうせいちゅうんだ。




