石じじいの話・朝鮮の風水(朝鮮)
手相、人相、家相、墓相など、「相」の考えにとりつかれると面倒なことになるのでは。
石じじいの話です。
じじいが朝鮮で聞いた、風水の話です。
日本にもある風水ですが、どうように中国文化の影響を受けた朝鮮でも、風水信仰がありました。
ただし、鬼門という考えはなかったようです。
じじいが、知らなかっただけかもしれません。
朝鮮の風水は、生きている人間のための住宅、死人のための墓地の作るときに重要視されます。
これは、日本でも同様でしょうか?
宅地であれば、それを建てる場所や建物の建築デザインについて、風水信仰がはたらきます。
出世や富貴栄華、災厄を避けこと、家系の存続を願って、家を建てる吉地を探します。
住宅のために良い歳は、天地の精気が溜まっていて生気を発するところなのだそうです。
風光明媚なところ。
霊草や異獣の出現するところ。
これはどういう意味でしょうか?聞き取りノートに説明がありません。
つまり、山河の形勢が重要であり、生活の発展や家運の伸張を祝福する形を示す場所なのです。
住宅は地上で営むものだから、地下で営む墓とは、その風水立地が異なるのだそうです。
墓地は、地中に位置するのだから、土地の生気に直に接することができるが、住宅はそうではない。
これが違いなのだそうです。
住宅の場合は、地形など、毎日目にするものを風水判断の要素として考えます。
宅地の選択の場合は、墓地ほど風水の専門知識を必要としないので、風水師を呼ばないで、住宅を建てる本人たちが自分で調べることが普通だったそうです。
場所を選ぶには、「美しいところ(=風光明媚)」という、一般常識を基準とします。
さらに、「発展性のある場所」を選ぶのも良いと。
そのような概念は、自然物に例えることもあったそうです。
たとえば、
天体としての月は三日月から満月にむかって満ちていきます。
よって、「発展的な土地」とは、三日月状の土地であり、そのような場所を宅地に選ぶことがあるというのです。
類形についての信仰のようです。
また、陰陽五行説の影響もあったようです。
たとえば、
女性は、陰であり、男性は陽である。
陰の色は白、白は西の色である。
よって山や河の西側の場所に住宅を建てることがある。
場所を選ぶさいに、方角を参考にすることもありました。
住宅の左に流れる川を青龍という。
右に道があるのを白虎という。
前に池があるのを朱雀という。
後ろに丘や山があるのを玄武という。
このようなものが住宅のまわりにあるのは良い土地である。
中国や朝鮮の住宅は、南向きが正面ですから、そちらに向いて、前後左右を言うのです。
これは、北京や京都の都市計画にも共通していますね。
しかし、こんな考えで住宅の立地を選べる余地は、日本の都市部では皆無だと思うのですが。




