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石じじいの話・雪の怪談:白装束の人
石じじいの話です。
短い話を。
じじいは、雪山を歩いていたときに、真っ白な服を着た人に雪山で出会ったそうです。
上から下まで真っ白の衣装で、それ以外の色はまったくない。
顔も白い布で覆っていました。
まるで、白装束の忍者のようだったそうです。
雪景色に白装束だったので、じじいは、その人が近くに来るまで気がつかず、眼前に急に動く白いものが出てきたので驚いたそうです。
雪山を歩くには、普通逆ではないか?とじじいは思いました。
雪のなかで見立つように、色のついた衣服や装備を身につけるのでは?
現在の登山用品がそうなっているでしょう。
それとも、狩猟のためのカモフラージュだろうか?
じじいは混乱しました。
その「白忍者」は、じじいに軽く挨拶をして、雪山を歩いていったそうです。
じじいは、雪に関する他の話として、雪に覆われた山肌の一部が一面に真っ赤に染まっている山を見たことがあると話していました。
遠くからも、その赤い斜面が見えたそうです。
この話は、また別の機会に紹介しましょう。




