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石じじいの話・竹槍の御前試合
石じじいの話です。
竹槍関係の話を。
これは、じじいが朝鮮にいたときに、中国人から聞いた話だそうです。
この中国人の紹介で、じじいは満州に何度か旅したのです。
この中国人は、若い頃、東南アジア諸国に住んだことがあるらしく、そこで見た話だということでした。
その国*では、年に一度の竹槍の試合が行われていたそうです。
「王様」の前での御前試合です。
実際の刀や槍ではなく竹槍を使うというのが、いかにも「試合」という感じです。
しかし、試合は激しく死ぬ者もいました。
その死んだものにも褒美(金)が与えられたそうです。
竹槍で戦う兵士は男性ですが、その妻も木刀をもって一緒に戦いました。
妻は、おもに相手からの攻撃に防戦する役割だったということです。
試合は、三回突き合う(攻め合う)のみで、それで勝敗を決しのだそうです。
*その国のことを、その中国人は、シャムであるとかインド帝国のビルマ州だと説明していたようですが、地方の豪族の支配地だったのかもしれません。




