石じじいの話・赤目地蔵
石じじいの話です。
これは、朝鮮でじじいが聞いた話です。
じっさいの体験談ではありません。
朝鮮にも、地蔵信仰があります。
ある寺院には、地蔵菩薩のミイラ仏が祀られていたそうですが、じじいは、その実物を見たことはないと言っていました。
朝鮮の「赤目地蔵」とは、地蔵菩薩像の目をふざけて赤く塗ったところ、大規模な災厄が起きてしまったという民話です。
そうです。日本にも似た話が各地にあります。
朝鮮、日本ともに中国文化の影響を古くから受けていたので、共通の宗教概念が存在するし、そのため独立して類似した話が作られたのかもしれません。
日本の類似の話では、目を赤く塗られるのは、狛犬だったり、お地蔵様だったり、金剛力士像だったりと、その話が伝わっている土地の信仰によってストーリーに違いがあります。
何か宗教的なものを赤く塗ることによって島が沈むという話で有名なものは、別府湾の瓜生島が海に没したとう伝説でしょう。
蛭子社に奉祀してある神将の顔を丹粉で真赤に塗りつぶしてしまうと、島が海に沈んだという話です。
これは有名な話なので、ご存知の方も多いでしょう*。
朝鮮にも類似の話があったのは驚きだったとじじいは言っていました。
じじいの故郷は、別府の近くでしたからね。
*テレビ番組「まんが日本昔ばなし」にも、このエピソードがありました。




