石じじいの話・伝送人間
石じじいの話です。
モールス信号とともに出現する人間がいたそうです。
これは、船舶や軍隊でモールス信号で交信しているとき、背広を着た男性が通信士の横に急に現れるのです。
船舶や軍隊の通信施設(通信室)に、そのような民間人と思われる人間が侵入できるはずがありません。
通信士が驚いて彼を見返ると、その人物は慌てもせずゆっくりと歩いて通信室を去っていくのです。
その人物は、ある特定の信号を受信しているときに現れたそうです。
その信号は、本来の通信文に突然混信してくるのです。
内容は理解できないのですが、ある特徴的な文字列が繰り返されるのです。
この信号は混線なのか?と思って注意深く聴いて意味をとろうとしたり受信周波数の調整をしていると、その人物がいつのまにか出現しているのです*。
その混信信号は、いつもどこでも同じだったのですが、内容は部外者には伝えられていません。
戦後、気象観測情報を伝えるために使用されたラジオテレタイプにおいても、その信号が交じることがあったそうです。
このときは、謎の人物は出現しませんでした。
テレタイプでは伝送できなかったのでしょうか?
*映画「電送人間」(1960)のようです。




