表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
石じじいの話  作者: Lefeld
215/595

石じじいの話・この箱を開けるな

石じじいの話です。


これは、じじいが朝鮮に住んでいたとき、知り合いのロシア人から聞いた話です。


ロシアのイルクーツクに「開けてはならない箱」というものがあったそうです。

それは、木製の大きな長方形の箱でしたが、棺のようにも見えました。

非常に古いもののようでした。

イルクーツクでは、ある商家の地下室に厳重に保管されていました。

その家の持ち主の商人によると、これを運び込み管理しているのは「協会の人々」だということでした。

「協会」?「教会」ではなく?

そう、「協会」だ。

その人々は、イルクーツクの大学の研究者だ。

この箱はいったい何か?

その研究者たちが言うには、「大きな災厄をもたらす動物の死体が収められている箱である」

しかし、彼らが言うには、他の考えもあって、それによると「魔女の棺」である。

単に「魔物の箱」と名付けている文献もある。

吸血鬼や人狼の棺だとする文献もある。

魔女だの人狼など、もう、ロシアでの伝統的な魔物のオンパレードです。

それに、その「文献」とは何か?

「研究者」とは誰か?

そのロシア人は、商人の説明をよく理解できませんでした。

じじいも理解できませんでした。

これを書いている私も理解できません。

では、この箱を開いてみてはどうか?

その箱は、何本かの鉄帯で縛り付けられていて、その帯は互いに溶接されていました。

そのため、その鉄帯を切断しないと開けない状態でした。

本体は木製なのだから、棺自体を破壊すれば中身が確認できるだろう。

研究者たちが言うには、穴を開けてさえも、中のモノが復活する可能性がある。

復活するかどうかは、研究者によって意見が異なるのだが。

だから、その研究者とは何者か?ロシア帝国に何人もいるのか?

中身が危険なものなら、焼却してしまってはどうか?

いやいや、燃やしている間に逃げ出すかもしれない。

魔物なら、煙になって逃げることもあるだろう。

もう、ああ言えばこう言う状態です。

何が目的で、この箱が維持されているのか?

捨てるに捨てられないということか?


この箱は、昔からロシアの各地を点々と移動させられているのだということでした。

一か所に長く置いておくと良くない影響を周辺に及ぼすからというのが理由でした。

もともとは、タタールのくびきの時代(13世紀前半のモンゴルによるロシアへの侵攻)に、中央アジアからキエフに持ち込まれたものらしい。

しかし、中東から持ち込まれたという記録もある。

さらに、モンゴルがやってくるまえに、ロシアに侵攻し撃退されたドイツのチュートン騎士団が残していったものだという言い伝えもある*。


その箱は、今どこに?

*この話については、これ以上の情報は、私の聞き取りノートにはみつかりませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ