石じじいの話・悪霊退散!その方法2
石じじいの話です。
悪霊を祓う方法を紹介しましょう。
驚愕法:(しゃっくりを止めるんじゃないですけど)
マラリヤ治療は:
患者を不意に脅かせば治る。
たとえば、橋の上に立たせて不意に背後から川に突き落とす。
蛇を患者の首に巻き付けて驚かし、そして殴打する。
(やっぱり殴打するんだ。)
なぜなら、マラリヤは女神なので驚かせると去るのだ。
虎の絵を紙に描いて、それを患者の背中に貼るのも良い。
虎という文字を朱書きしたものを貼っても良い。
これは、日本のまじないではないでしょう。
虎が出てくるので、朝鮮での祓い方でしょうか?
伝染病を防ぐには:
鷹や虎の絵などを描いた紙を部屋の入口に貼りつけておくとコレラは侵入できないのだ。
木で人の頭部だけの人形を作り、それを棒につけて部落の入り口に立てておくと村に伝染病は入らない。
これは、「常識的な」まじないの方法です。
これも一種の驚愕法でしょう。伝染病としての魔物を驚かせるという意味で。
火攻め:
名前に反して穏当な方法です。
子供が精神に異常をきたしたときには、その子の頭によもぎのほしたものを直径一寸くらいの大きさでおいて、それに日をつけて焼く、それを数回繰り返す。
お灸のようにも思えますが、「焼く」というのが不吉です。
腹痛には、石を火に焼いて、これを腹部の痛いところに当てる。
または斧を火に焼いて、それを布に包んで腹部にあてる。
いずれも、やけどをしないようにして処置するのでしょう。
子供の腹痛を治すには、患者の衣類を、本人に知られないようにして、部屋の出入り口で焼けば全治する。
(これ、家が火事になるのでは?)
この火攻め、じじいが立ち会ったことがあるそうです。
旅の途中で、石を焼いて抱かせる場に立ち会った時、じじいが持っている石を使わせてくれと嘆願されたのだそうです。
せっかく見つけた石を焼かれると、熱で割れてしまうおそれがあり、価値がなくなるのでいやだったのですが、断ると「怖いめ」にあうおそれがあったので渋々承知しました。
かわりに、じじいは、その家に泊めてもらいました。
そのまじないの効果は絶大でした。
翌朝、その患者の体調はすでに改善されました。もう、寛解というかんじです。
この石は霊験あらたかだということで、その家の人々に譲ってくれとさんざんお願いされました。
じじいは、かなりの金額で、その石をゆずってやったそうです。
じじい、ひどいやつ!
その後、じじいは、自分の体調が悪いときに、たまたま家に保管していた同じ種類の石で、この火攻め法をためしてみたそうです。
しかし、なんの効果もなく、やけどをしただけでした。
あのときのバチが当たったのでしょう。




