石じじいの話・唯物論的死後の世界
これは、朝鮮で知り合いのロシア人から聞いた話だそうです。
しかし、私の聞き取りメモに残された話の内容は、よくわからないものになっています。
理由は、その話をじじにしてくれた知り合いのロシア人の朝鮮語の能力が高くなかったこと。つまり、朝鮮語の科学的・哲学的な用語やいいまわしを知らなかったこと。
そのため、彼の話にはロシア語の単語が多く含まれていたため、じじいが理解できなかったこと。
そして、じじいが話してくれた内容を子供の私がよく理解できなかったこと。
そういった理由で、内容がよくわからないものになっています。
この点、ご容赦ください。
石じじいの話です。
人が死んだら、その精神はこの世界にとどまるという話はいろいろな宗教で主張されています。
そして、死者が転生するということも。
ここでは、ロシアに存在した考えで、人の「精神」は、死後この世に、ある期間残るというものです。
その存続期間は109年であり、そこで、その精神は消滅するのだそうです。
以下、その理論?を説明しましょう。
この世界に残存する「精神」は、エネルギーの塊であり、おもに太陽光から存続のためのエネルギーを得ている。
よって、日照時間の短い季節(たとえば高緯度地方の冬季)には、その大きさは縮小し活動度は低下する。
そのエネルギー体は、生きている生物(人間を含む)とほとんど交渉しない。
ほとんど、ということは、例外があるのだが。
それはエネルギー体であるから、それじしんには意思はないし、その人の生前の記憶のようなものもない。
また、生物としての行動上の習性も持たない。
物理的な存在である「その精神」には色も匂いもなく、人にとっては不可視である。
化学的には不活性だが、たまに他の物質と反応することがある。
「精神」は、それをとりまく環境の微弱な磁場、紫外線量、温度、湿度、酸性度などによって影響をうけるのだろう。
非常にまれな例として、ほかの生物体と「精神」が反応することがある。
おそらく、その生物が発する二酸化炭素や体温、体臭などと反応するのではないか*?
この反応によって、生きている生物(人間のみならず犬や馬のような動物、作物のような植物も)が影響を受けることがある。
人間が影響を受ける場合は、たたり、呪い、憑き物、というような現象として認識されるのだろう。
また、たまたま反応した人は、霊媒という存在となるのかもしれないが、それが、その人物の能力・特性というものではない。
つまり、霊媒者という人はいない。
家畜の場合は、乳の出が悪くなるとか行動が荒くなるというような現象が起きる。しかし、その逆のこともある。
作物(植物)の場合は、収穫量が減る、枯れるということが起きるが、その反対の現象も起きる。
つまり、「精神」との反応の結果として、人間にとってネガティブな現象もポジティブな現象も生起するのだ。
もちろん、それが人間の「転生」に影響することはない。つまり、人間は転生しない。
その「精神(エネルギー体)」は、時間がたつと物理的に消滅するのであり、それがおもむいて滞在する異界(天堂や煉獄)のようなものも存在しない。
その「精神」はエネルギー体だから、それを検出する装置も製作が可能である**。
それは、ラジオのような受信機がもっとも製作しやすく、科学者が何台かの製作に成功したようだ。
しかし、撮影する写真機の製作は成功していない。写真乳剤の問題というよりも、レンズの問題だろう。
この「精神」を人為的に除去、消滅させる方法もあるだろうが、その装置は発明されていない。
おそらく、そのような制御には非常に大きなエネルギーが必要になるので、石炭や石油、家庭電気では不可能だ。
という理論です。
じじいは、この理論をまったく理解できませんでしたが***、自分のノートにその内容を細かく書きとっていました。
それを、私に教えてくれたのです。
じじいは、そのロシア人に、「これは、共産主義国であるソ連での考え方か?」とたずねました。
彼が言うには、「いや、ちがう。これはボリシェビキの考えではなく、ロシア帝国時代からあった唯物論的な考えだ。
ボリシェヴィキは、肉体以外の存在を否定するが、宗教をいちがいに否定してはいない。
しかし、このような『唯物論的死後の世界』つまりエネルギー体としての残存精神を主張する人々のほうが、より反宗教的であった。アナキストの一種だろう。」
と。
「魂がガスみたいなもんやったら、ビンかなんかにとっておくことができるんやないかなあ。まあ、そがいなことしても、それが自分の身内の魂かどうかわからんし、話もできんし姿も見れんのやったら、意味のないことやな。」
じじい、それは「魂」やのうて「精神」なんや。
*現在では、フェロモン物質も関係すると主張されるかもしれません。
**以前の話に、霊界ラジオや、あの世を撮影することができるカメラ(レンズ)というものが出てきたことがあります。
***私も、まったく理解できません。




