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石じじいの話・朝鮮の歌
石じじいの話です。
じじいが教えてくれた朝鮮の歌です。
歌詞が当時の私には難しかったので、聞き取りノートにじじい自身が書き残してくれたものです。
じじいの字が懐かしい。
聞けよ若人たち、昨日の青春は今日の白髪
憐れむべきにあらずや、章台*の美色**もその嬋娟***を誇るなかれ
西山に落つる日を誰か止めん、蒼海の流れは去って再び帰らず
青山も自然の姿なり、緑水も自然の姿なり
この山水の自然の間に生を受けたる人もまた自然の姿なり
我も、これ自然に生まれし身なれば、老い行くもまた自然なり
*花柳街
**美人
***あでやかで美しいこと




