石じじいの話・歌の思い出
石じじいの話です。
みなさんは、ある歌を聴くと、その歌詞から昔のことを思い出すことがありませんか?
私は、ある曲の歌詞を聴くと、じじいのしてくれた話を思い出すことがあります。
「窓の外は雨 雨が降ってる」
ある家では、ふり続ける雨の中、ずぶ濡れの女が窓の外に一日中立っていたことがあったそうです。
「夕やけ小やけの 赤とんぼ;負われて見たのは いつの日か」
「わしをおぶってくれた母親は、はように死んでしもうたんよ」とじじい。
「あのひとのママに会うために」
その恋人の女性は、刃渡り30センチのナイフを買ったそうです。
「思いこんだら」
絶対に、自分の意見を譲らない男の子がいました。
そんな性格だったので、ともだちと喧嘩になってしまい、
「腕も折れよと」
友だちの顔を殴り続けたので、友だちは死んでしまったそうです*。
「吹けば飛ぶよな 将棋の駒に」
かけ将棋にいれこんでいた男がいました。
結局、その賭け事のために、妻と二人の子供の命を奪って、最後は自分も自害したそうです。
「笛にうかれて 逆立ちすれば;山が見えます ふるさとの」
山中で、木の枝から女の子が逆さに吊るされて死んでいたことがあったそうです。
その子は、旅役者の一座にいた子供でした。
おそらく、一座の者に折檻されて殺されたのでは、ということでした。
一座の人たちから、その女の子の捜索願いがだされなかったからです**。
*石じじいは、子供の私には、残酷な話はしなかったと記憶しています。
この話は、私が中学生になってからの、じじいの話の聞き取りノートに残されいたので、もう成長した私にじじいが話してくれたのかもしれません。
あるいは、別の人から聞いた話を、私が、そこに書き残したのかもしれません。
**この話には、特定の職業の人々を貶める意図はありません。誤解を生みそうなトピックスですが、話の流れの中で書きました。削除することもあります。




