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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・満州の死体処理施設

残酷な話です。

苦手な人は、読むことをお避けください。

石じじいの話です。


じじいが満州を旅したときに見聞した話です。

この話は、聞き取りノートに何度も似た話として書き残されているのですが、その書きとりごとに、それが起きた場所が異なっています。

ある話では満州とモンゴルの国境の近く。別の話では満州とソ連の国境近く。

おそらく、満州、モンゴル、ソ連国境地域での体験なのでしょう。


その地域には、現地人によって「沈黙の塔」と呼ばれる宗教施設があったそうです。

厳密には、その地域に住んでいる、ある宗教*を信仰している人たちの施設です。

その人々は他の現地人とは異なり、自分たちの墓をつくりませんでした。

彼らには墓がないのです。

では、死体はどうするのか?

火葬ではない。

河に流す水葬でもない。

そのような水量の多い大きな河はありませんでした。

湖はあったようですが。

彼らは、「死体処理施設」を持っていたのです。

それが、その「宗教施設」です。

じじいが、現地人と一緒に訪れたときには、堂守り家族だけがそこにいたそうです。

彼らによると、死体処理の仕事があるときにのみ「作業員」が近くの村からやってくるのだということでした。

その施設というのは、丘の上に石造りの5つの建物が並んでいて全体としては大きな建物だったそうです。

その5つの建物には屋根が無りませんでしたが出入り口はありました。

それぞれの建物の中に死体を運び込み並べるのです。

5つの建物のうち、2つは普通の信者;1つは外国人の信者;1つは富豪の信者;1つは変死者と犯罪者:の死体をおさめます。

死体を運んできた親族はその建物に入ることは許されず、専属の人間(上記の作業員)によって運び入れられます。

そこで、死体は動物によって食べられるのだそうです。

食べ残された体の部分は作業員によって運び出されて、近くの草原に放置されました。

死体を食べる動物は何か?とじじいはたずねました。

この地域の大型の肉食哺乳類はオオカミくらいしかいないのですが、彼らは人間を恐れて近づきません。

その施設の管理人によると、それは「鳥」だということでした。

*どのような宗教なのでしょうか?死体の処理方法からするとラマ教のように思えるのですが、死体の処理場があるというのは、ゾロアスター教(拝火教}でしょう。

ゾロアスター教は、鳥葬・風葬を行い、それを「沈黙の塔」という施設で行うのだということです。

まさに、これですね。

しかし、中国東北部にゾロアスター教が信仰されていたという話は聞いたことがありません。

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