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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・幽霊の化石

日本からもたくさんの化石が発見されます。

アンモナイトやサンゴ、ゾウの化石、近年では恐竜の化石も各地で発見されているようです。

じじいは、美しい岩石や鉱物だけでなく、めずらしい化石を探していました。それらを好事家に売って生活費を得ていたのです。

彼は、生活の糧をもとめて、九州から北海道まで歩き回ったそうです。

石じじいの話です。


幽霊の「化石」があったそうです。

「幽霊の化石」を見てみないか?

じじいが石を集めているということを聞いて、こう尋ねてきた人がいました。

これはおもしろい!ということで、見せてもらいました。

「化石」を含んでいる岩石は、1メートル半ほどの、非常に大きな硬質シルト岩で、ある家の座敷の長持ちの中に収められていました。

その片面が少しくぼんでいて、そのくぼみの中に幽霊がいました。

その幽霊は、裸体の女性の全身像で、横たわっているような姿をしていました。

髪が長く、頭をまげて顔をこちらに向けていました。

ちょうど、「裸のマハ」のようでした。

これは人がシルト岩に彫りつけたものではないか?とじじいは考えましたが、その幽霊像の表面を見ると、そうとも言えない。

像の部分は、岩石のその他の部分と同じ程度に「風化」して変色している。

像の一部に黒い鉱物のシミがあり、それが周りの部分にもひろがっている。

像を彫りつけたときのノミや彫刻刀の痕が見られない。

顔や髪の毛、陰毛などが非常に細かく表現されている。

この岩石を運んだとき、非常に重くて、たいへんだったそうです。つまり、シルト岩にしてはかなり重いものだったのです。

「幽霊の重さ」が加わっていたのでしょうか?

この幽霊の化石の由来は:

いつのことか、大昔に、恨みを持って死んだ女性が幽霊になって夜な夜なあらわれ、無関係の人まで苦しめたが、ある僧侶が、それを霊力によって封じた。

その時、幽霊はみるみる石と化した。


この化石は、家の人々や村人に恐れられていました。

雨が降ったり雪が降ったりすると、化石が声を発するのです。

その声は、低く長く続き、恨みの言葉のようにも聞こえるのだそうです。

まだ恨みはおさまっておらず、将来、この女性の幽霊が蘇るのではないか?と恐れていたのです。

死んだ人の幽霊が蘇ると、やはり死んだ状態なのだろうか?:とじじいは疑問に思ったそうです。

「こがいなもんは、お寺におさめたほうが安心やないかな?」とじじい。

「いや、ひきとってもらう寺や神社をさがしたんやが、どこでも断られたんよ。いなげなもんやから、にせもんやと思われるんやね。」と所有者。

幽霊の化石のほんもんはあるのだろうか?:とじじいは疑問に思ったそうです。

以前書いた話に、じじいが砂岩を割ると、割れたその断面に美しい女性のリアルな顔があった:というのがありました。

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