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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・出合と追分

石じじいの話です。


中国山地は準平原化していて、標高が低く、地形はなだらかでした。

そのなだらかな尾根をたくさんの山道が走り多くの人が行き来していました。

地形がなだらかなことから、昔から開拓されてあちこちに村ができていました。

村は山の尾根近くに作られることが多く、水を得ることができれば田んぼを作っていました。

また、たたら場に、製鉄の燃料として炭を供給するために炭焼をしていました。

鉄を得るためには、それと同じ重さの炭が必要だったのです。

じじいは、そのような村を訪れ、一泊の宿や食料を求めていました。

その時は、たたら場はもう廃れていました。

彼が歩いていると、山の中を放浪している集団にもたまに遭遇したこともあったそうです*。

そのような地域では「出合」という地名がしばしば見られました。

これは、「山道が出合う、合流する」場所という意味なのだそうです。

そして、そこを通る人々が、偶然に出会う場所でもあったのです。

この「出合」という地名は、山から里へ下りてくる人々、つまりに山人による呼び名です。

里から山に入る人々は、そこを「追分」と名付けます。

これは、「道が別れていく」という意味です。

この「出合」と名付けられている場所では、人だけではなく他の存在とも出会うことがあったそうです。

そこで出会う相手は、人をばかす狐をはじめとして、妖怪や幽霊、地神などだったそうで、とても怖いめに会ったそうです**。

また、山賊のような犯罪者にもたまに出会うこともあったようです。

怖いのは、化け物より人だという、お決まりのオチでしょうか。

*これについての話は、現在では問題があると考えられる記述が多いので、ここでは紹介できません。

**以前、山道でお遍路さんをまどわす魔物の話を紹介したことがあります。

じじいが地元の遍路道で見かけたお遍路さんが、道から外れて山の奥へどんどんと進んでいるのを見かけます。

心配したじじいが、そのお遍路さんに声をかけると、「そこにいる人が案内してくれるから大丈夫だ」と。

しかし、そこには誰もいない。

じじいが、お遍路さんと一緒にお経を唱えると、その「案内人」は姿を消した。そのお遍路さんにも見えくなった。

という話です。

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