表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
石じじいの話  作者: Lefeld
184/598

石じじいの話・臭い森

石じじいの話です。


とても臭い森を歩いたことがあったそうです。

じじいが石探しのために、地元の猟師といっしょに山に登っていたときでした。

その日は、台風一過で、とてもよい天気だったそうです。

雨で森は湿っていて、空気がやわらかい。

すこし、風が残っていて、木々がざわざわと揺れていました。

森を歩いていると急に風がやんで、あたりがシンとなりました。

陽光は、あいかわらず樹枝の間からさんさんと降り注いでいます。

そのとき、強力な臭気が襲ってきたそうです。

じじいと猟師は、その悪臭に顔をしかめましたが、猟師が連れている猟犬はへいきな様子でした。

それは、腐敗臭ではなく、化学薬品のような匂い、溶接の時のような匂いだったそうです。

臭いを嗅いでいると、頭痛がしてくる。

歯が痛くなる。

鼻の奥が痛くなる。

強い酸のような刺激臭ではないのですが、ちょっと耐えられないものでした。

そのうち吐き気がしてきて、ふたりとも激しく吐いたそうです。

猟犬は、二人の様子を見てオロオロするばかりでした。

気がつくと臭気はおさまっていて、じじいたちの体調も徐々に回復していったそうです。

「山の神様が屁こいたんちゃう?」と私。

「もののけの屁やったんかもしれんのう。人の屁とは成分が違ごうとらいわいね。」じじい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ