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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・長命の泥岩

石じじいの話です。


じじいは、石を探して山河を行きましたが、海岸も珍しい石を見つけるには好都合な場所でした。

波で陸が侵食されるので、樹木などに覆われることなく、その地域の岩盤・岩石が露出しているからです。

そこでは、化石も発見しやすかったそうです。


食べると長生を得る石というものがありました。


これは、ある海岸で見つかる黒色の泥岩でした。

正確には、その泥岩の一部だったのですが。

この泥岩のブロックを割ってみると、中に真っ白な球形の部分が見られることがある。

その部分だけを削って服用せよということでした。

その球体の大きさは、どんな場合も一定でした。

野球の玉くらいだっということです。

この白い球形の部分を粉にして飲むのです。

水に溶かして飲みました。

飲む量は匙に一杯ほどで、白い球形部分を全部飲んでしまってはいけないと言われていました。

多くの人が試してみたようですが、たしかに全員が長生きはしたが、若年でボケてしまった人が多かったそうです。

服用した人々の長命・若年でのボケと、その泥岩の白色部分との因果関係は、今ひとつ明らかではありませんでしたが、服用すると長命を得るというのは確かだったようです。

じじいは、実際に、その白い球形部を含んだ黒色泥岩を見たそうです。

それは、普通の泥岩で無味無臭でした*。

普通は、黒色の泥岩は、酸欠状態の海底で堆積するので硫黄の匂いがすることが多いのですが、これは無臭なのが不思議だったと、じじいは言っていました。

泥岩の中には、固化する過程で、炭酸カルシウムなどが濃集して球形の硬い部分が形成されることがあり、それをコンクリーションとか、ノジュール、結核、団塊というとじじいは言ってましたね。

*じじいは、石をなめたり、削って口に含んだりするのは平気でした。

彼が、長命ではなかったのは、そのせいかもしれません(笑)。

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