石じじいの話・魂の帰還
石じじいの話です。
人の魂についての話をいくつか書きましょう。
(1) 死んだ娘が何年もの間、蝶に生まれ変わって帰ってくることがあったそうです。その娘の母親は、「もう生まれ変わらなくても良いのに」と言って仏様を拝んでいたと。
なぜ、その蝶を娘の生まれ変わりだと考えたのでしょうか?
(2) 飛んでいる大きなアゲハチョウの羽に、人の顔が見られることがあったそうです。
これが、娘が生まれ変わった蝶だったのかもしれません。
(3) 蝶が飛んでくると人が死ぬのだ。いや、人が死ぬ前に蝶が飛ぶのだ。そのような議論が行われている村があったそうです。
(4) 蝶がひらひらと飛んできて蜘蛛の巣にひっかかりました。まるで、自分から蜘蛛の餌食になるように。
「この蝶には、生きる希望がないのか?まるで自分のようだ。お前もこうしろよ、と言っているようだ。」
と、妻に死なれて間もない若い男がじじいに語ったそうです。
彼は悲嘆に暮れていました。
その男は、のちに自害したそうです。
(5) お盆に迎え火を焚いた時、それが消えた後に人の気配がすることがある。
死んだ人が帰ってきたのだ。
先年亡くなったあの人だ。




