石じじいの話・死者を串刺し
石じじいの話です。
知り合いのロシア人がじじいに話した、「死者の帰還を防ぐ」風習には、以下のようなものもありました。
縊死した人の葬式には、教会はかかわりあわないし、教会の墓地には埋葬しなかったそうです。
自殺者の霊魂は悪魔となるといいます。
キリスト教的な考えですかね。
その場合、家人が、その死体を、村から離れた場所に埋葬するのですが、埋葬した日の夜、ひそかに埋葬地に行って、死体を掘り出し、その頭と胴体とを切断して、頭を足の下に置いておくのです。
こうすると死体の魂が帰って来るのを防ぐことができたそうです。
あるとき、自殺者を埋葬した翌年に、伝染病が流行ったことがありました。
これは、その自殺者の魂が悪霊になり、それの仕業だとして、人々は、その墓を暴いて死体の頭頂部から鉄の棒を串刺しにしたそうです。
自殺者を埋葬した場所(普通は森の中)の周辺には、オオカミがよく出没することがあり、これが人狼になるのだ(人狼と関係があるのだ)と考える人々もいました。
そのような埋葬地に近づく人はいませんでしたが、土地に不案内な旅人や猟師などが、たまに近くに行ってしまうことがあり、行方不明になることもあったということです。
人狼になってしまったのでしょうか?




