石じじいの話・変身病
石じじいの話です。
これは、じじいが朝鮮にいるときに、知り合いのロシア人から聞いた話です。
動物に変化する病気があったそうです。
その病気にかかると、体がだるくなって動けなくなります。
微熱が続く。
そして、声が出なくなる。
体格も、少しずつ変わっていき、顔つきも変わります。
それは、トラやオオカミのような肉食動物(哺乳類)に似てくるのだそうです*。
変身が進行すると、病人の精神も退行(退化)し、彼らとの会話が難しくなりました。
このようは病変は、一年近くかけて進行したのですが、病人は、通常、完全に変身してしまうまでに死亡しました。
そのため、最終的にどのようなものに変身するのかわからないのでした。
病変の最終形態が不明なのです。
しかし、昔、変身しきった病人がいたそうです**。
どのようなものに変身したのか?
話してくれたロシア人によると、彼らは「外に帰った」のだそうです。
*満月の夜に変身する狼男のようですが、かならずしも、オオカミになるわけではないようです。
ノートには、「肉食の動物」に変身するであり、トラやオオカミのような哺乳類の姿に変身するのではなく、ヘビのような姿にもなったと書かれています。
**以前、ロシア帝国で、肉食の凶暴な兵士を作る:という話を書いたことがあります。”アントロヒシニク”と呼ばれていたとか。




