石じじいの話・まじない入門4
石じじいの話です。
まえがき:
昔は、いろいろなまじないがありました。
今も、たくさんあります。
もちろん、それを信じる人はほとんどいないでしょうけど。
じじいが教えてくれたまじないをいくつか紹介しましょう。
1. 蚤がわかないようにする呪い(まじない)*
三月三日に、栴檀の葉をとって、それを畳の下にしいておけば、蚤や虱はわかない。
2. 家に虱がわかないようにするためには、木瓜**を切ってきて、それを座布団の下にしくとよい。
3. ブヨに食われないように(刺されないように)するための呪い***
ブヨのいる場所の小石を拾って、袂に入れておくとよい。
4. ブヨに食われた時は、その場所の土をとって、それを刺されたところに塗るとよい。
5. 蛇や虻を家の中に入れないようにする呪い
五月五日の午の刻に、朱砂(硫化水銀から作られた赤色の顔料)で、「茶」という字を紙に書いて、門柱に逆さまにして貼っておくと、蛇や虻が家の中に入らない。
これは、私の故郷(じじいの故郷でもある)に、同じような呪いがありました。
半紙に墨で「甘茶」と書いて、それを部屋の柱の畳の近く、低いところに貼っておくと、ムカデよけになるというものです。
*蚤は、今の家庭には、めずらしいでしょうね。
**木瓜を探すのが大変です。
***じじいの故郷あたりでは、虫に刺されることを「食われる」と言いました。




