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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・犬神の調伏法

石じじいの話です。


じじいのふるさとは、犬神憑きの本場です。

現在では、そのような風習(迷信)はまった絶えていますが、じじいが子供の頃には、まだ、そのようなことを信じる人々がいたそうです。

じじいの地方の犬神憑きについての話は、以前、いくつか書いたことがあります。

詳しくは、それらにゆずりますが、犬神に憑かれた人は、動物のように振る舞うことがあったそうです。しかし、このような例は、そう多くはなかったようですが。

犬神に憑かれたとされる女性を術者につれていくと、その女性は暴れて犬のように吠えた、という話もあります。

また、複数の犬神に同時に憑かれることもあったそうです。


ここでは、犬神をどのように調伏するかという話をしましょう。

つまり、犬神を使役する(それが故意であれ、無意識であれ)、「犬神筋」と呼ばれる家系に憑いている犬神を祓うのです。

まず、祈祷者*が、梓弓口弦寄の法**で犬神を探ります。

ほんとうに、その家に犬神がついていると判明したら、以下の手順で調伏します。

1. 小さい壺一つと紅色に染められた手ぬぐいを一筋用意する。

2. まず、その家の祖父母より一人づつ祈祷壇上の前に座らせる。

3. 上記の手ぬぐいを、その人物に被せておいておいて、術者は竹に挟んだ小さな紙幣を打ち振って、呪文を唱える。

4. しばらくすると、その人物の鼻の両孔から、黒白赤などのまだらな子犬が出てくる***。

その犬に、上記の弊をつけて、壺の中に入れる。

5. こうして、すべての家族の人間から犬を取り出す。

6. その犬がつまった壺を麻縄で何重にも縛って、地面に埋める。

このようにして、犬神を調伏し終わって「普通」になった一族ですが、その後も、他の家との婚姻を結ぶうえでの支障が無くなることはなかったそうです。

結局、犬神筋の話は、宗教的、精神的な習俗ではなく、特定の人々(の人権)を「経済的、社会的に」攻撃する武器だったということなのでしょう。

*この調伏を行う祈祷者は、土佐のある村の出身者が多かったようです。じじいは、石探しの途中で、その村に立ち寄ったことがあり、そこで、危機的な事態に遭遇したことがありました。これについては、別の機会に話してみたいと思います。

「調伏されるべき犬神筋」の家人が修行して、この祈祷者になることもあったそうです。これは可能なのでしょうかね?

**どのような術法なのか不明です。

***鼻の孔からでる犬のサイズは?

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