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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・アイヌから聞いた話

じじいは、石探しのために、北海道を何度か訪れたことがあります。その時の経験については、以前にいくつかの話として書いたことがあります。

オホーツク海の人魚の話;流氷を渡ってくる人物の話;クマを喰らう女性の話;クマを殺す落雷の話;ニシン漁の、でめんとりの話、などです。

そうそう、横浜の空襲で家族を失った女性の話もありました。

ネットで検索してみてください。

石じじいの話です。


これは、じじいが北海道に石探しに行ったときに、現地のアイヌ*から聞いた話だそうです。いくつか書いてみましょう。


(1) ある日、オオワシが娘をつかんで飛び去ったが、ワシは、彼女を川の淵に落とした。

淵から現れた老人が娘を背負って彼女の自宅に連れ帰った。

そして、その娘と老人は結婚した。

この老人は鮭の化身だったので、その家系は鮭の子孫なのだ。

だから、彼らは、いまでも鮭を食べない。

その娘は鹿の毛皮を着ていたので、ワシは娘を本物の鹿と見間違ったのだ。

この話をしてくれたアイヌが言うには:

彼女とその一族が住んでいた場所の近くの川には鮭がたくさん遡上した。

まさに、その鮭の背中に乗って、対岸に渡れるくらいだった。

このような現象が、この言い伝えの元になったのかもしれない。

ということでした。

また、同じような話でこのようなものがあります。

鮭に乗って、その土地へやってきたという家系があり、彼らも鮭を食べない。

その家には、一代に一回しか見ることができないと言う宝物がある。

それは、箱の中に収められた鮭の皮である**。


(2) シラカバの子孫だと言う家系もあったそうです。

娘が、シラカバの果実を食べたら中毒を起こして死にそうになった。

家族は、そのシラカバに供物を捧げて、その娘との結婚式をあげさせた。

そうすると、その娘は回復し非常に健康になった。

そのあと、彼女は病気もせず、どんな食中毒も起こさなかった。

そして、長生きをしてたくさんの子供をもうけた。

それ以後、その女性の子孫はシラカバの子孫を称している。

*こんにち、「アイヌ」ではなく「ウタリ」という言葉を使うべきかもしれませんが、ここでは、じじいが話してくれた物語、ということで、彼がこの話で使ったことばを残しています。

**鮭を族霊トーテムとする習俗なのかもしれません。

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