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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・死者の道

石じじいの話です。

海の話をいくつか書きましょう。


(1) 毎年、たくさんの海水客や釣り人がやって来る漁村がありました。

そこで村人に言われたことは:

行楽客が来る夏の間は、この村の裏道を通るな。

そこは死者が通るのだ。

表の海岸沿いの通りは行楽客がたくさん通って騒がしい。

死者は、そこを避けて通らない。

裏道を通るのだ。


(2) ある島は、満潮のときには海面下に沈む砂嘴によって、陸とつながっていました。

ある朝、その浅瀬の近くに酒を入れる瓶が漂っていました。

その近くでは、三人の若い女性が手を堅く握り合って死んでいたそうです。

三人が手をつないで浅瀬を渡っていたが、一人が足を滑らせて深みに落ち込み、つぎつぎに引きずり込まれたのでは、と考えられました。

その島には、人は住んでいなかったので、なぜ彼女たちが夜、そこに行こうとしたのかわかりませんでした。

空の酒瓶は、彼女たちが持っていたものかどうかは不明です。

むかしから、夜間に、島への砂嘴や島で死ぬ人がでることがあったということでした。

その島にいるモノによばれるのではないか?


(3) ある漁村を、たまに訪れる男性がいました*。

その人は、どこのだれかもわからず、やってきて仕事を手伝ってくれました。

なにか謝礼を渡そうとしても、彼は受け取らなかったそうです。

どこに住んでいるのか?とたずねても、はっきりとしたことは答えませんでした。

他の村や町でたずねても、その男性について知っている人はいなかったそうです。

自分たちの村にだけ訪れるのだろうか、と村人たちは不思議に思っていました。

その男性は、歳をとるのが遅く、いつも若々しくみえたそうです。

*この話は、以前書いた、「ある島を訪れる僧侶の話」に似ています。

その話は、彼が来ると島の人がかならず一人死ぬ(災いをもたらす)というものでした。しかも、その僧侶を島に連れてきた者はだれもいないし、また、いつ、どうやって去っていったかもわからない。

本土で尋ねても、そのような僧侶は知らない。

しかし、この話の場合は、村人を助けてくれる、良い存在です。

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