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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・いくつかの短い話 17・つぶれたランドセル・授業参観

石じじいの話です。


鉄道についての短い話を2つ。


(1) ある無人駅に、つぶれたランドセルが落ちていたそうです。

じじいが、石探しの旅をしている時、田舎の無人駅、というより停車場でしょうか、で汽車を待っていた時、線路にランドセルが転がっているのに気がつきました。

これは、危ないなと思って、じじいは線路からそれを取り上げました。

ランドセルは、新しいものでしたが汽車に巻き込まれたらしく、つぶれて、ぐちゃぐちゃに裂けていました。

中を確認すると、これまた砕けた筆箱や、破れたノートや教科書がありました。

それには、女の子の名前が描いてありました。

XXZZ子。四年松組。

ランドセルは、つぶれてから時間がたっていたようでしたが、それが拾われもせず、目立つ線路に放置されていたのが解せませんでした。

どうしようもないので、それをビニール袋で覆い、この駅の線路で拾われた旨を書いた紙切れを入れて待合いに置いておいたそうです。

夜にでも、持ち主が探しに来るのではないかと思ったのです。


(2) じじいが、町の大きな駅のプラットフォームのベンチに座って汽車を待っていたときの話です。

彼の背中側のベンチに、小学生低学年の女の子と、その子の父親と思われる男性が座って話をしていました。

その父子の会話は、

「明日の授業参観には、おかあさんがくるの?」

「おかあさんは、去年死んだんじゃないか。」

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