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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・のどかな済州島

石じじいの話です。


じじいは、朝鮮に住んでいた頃、その全土を旅して歩きました。

各地の風俗を話してくれました。

その一部を、この「石じじいの話」で紹介しているわけです。

彼は、当然、済州島にも行ったことがありました。

済州島についてもいろいろと話しをしてくれました。

その島は、本土とかなり違った風俗だったようです。

山には、夏でも白い雪がおそくまで残っていました。

山間の部落は、夏でも涼しく、山の裾野では牛や馬の放牧が行われていました。

元の時代には、重要な軍事拠点となり、ここで日本攻略のための船舶が建造されたそうです。

この時に、牛馬や移民を本土から送って、島を開発させたのです。

そこでは、蒙古から伝来した放牧方法が行われていました。

馬はそれほど多くないのですが、牛はたくさん飼われていました。

馬も牛も、もともとは蒙古の品種だったらしいのですが、家畜の病気が何度も流行って死んでしまい、本土から新たに移入した品種がほとんどだったそうです。

中部地域での標高の高いところの放牧地は、楽園のようだったということです。

牛と人がよく融和して、お互いが良い伴侶となっていました。

自由に繁殖して、牛の頭数が人口よりも多くなったときもあったそうです。

そこでは、牛の鼻孔を貫いて飼うことはありませんでした。

放牧させていた牛たちは、夕方に叫ぶと、皆が集まり自分たちで部落に帰ってきたそうです。


そのような、のどかな島にも、時代の荒波が押し寄せました。

日本が朝鮮を併合して直後の時代には、日本人が朝鮮の田舎にいって、日本のよく効く薬と偽ってニセ薬を売りつけることが頻繁に行われていたそうです。

また、ニセ医療行為をする無免許の「医者」も日本からやって来たそうです。

大陸・朝鮮で荒稼ぎをしようというニセ売薬兼無免許医師の巡回治療というわけです。

じじいが朝鮮に住んでいたときには、さすがにそのようなインチキ行為は行われていませんでした。

官憲の目が厳しくなったのと、人々が詐欺師の方法を身をもって経験していたからです。

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