石じじいの話・ハリネズミ人間
石じじいの話です。
みなさんは、ハリネズミを見たことがありますか?
人に慣れる、かわいい動物です。
怒ると体を丸めて、しゅっしゅっ!と鳴き声を出します。
知り合いのロシア人から聞いた話です。。
ロシアとカザフスタンとの国境近くに、体の表面(皮膚)から針が出る人がいたそうです。
現地では、「ザラーチン」(ハリネズミ人間)と呼ばれていたそうです。
その人は、怒ると、皮膚からたくさんの針が突き出でたのです。
それは、金属の人工針*ではなく、爪のような物質でできた針、尖った棘のようなものでした。
その長さは2-3cm。背中のほうでは、5cmにたっする針も出たとか。
その人の怒りがおさまると、その針は、体の内部に沈み込み、また、一部は抜け落ちたそうです。
抜け落ちたあとには穴が残るのですが、そこから出血することもなく、穴はすぐに閉じてしまいました。
その人物は、非常に忍耐強く、日常生活で怒ることはほとんどなかったそうです。
彼が言うには、
「わたしは、怒りをおぼえると体から針がでる。それを防ぐために、修養して怒りをおさえているのだ。常に、心を乱さないようにしている。」
のだと。
*誤って縫い針を飲んだら、その針が血管を通って体中を移動して、皮膚から出てくることがある。
また、心臓に達して、心筋に刺さって死ぬ。
という与太話がありました。
皮膚から針が出る、という話は、昔からあるようです。




