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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・人肌石

石じじいの話です。


少しは、石の話をしましょう。

人肌石というのがあったそうです。

それは、常に熱を持っている石でした

触れることができないほど熱いというものではなく、ほんわりと温かいのです。

冬、雪が降る日に、その石を屋外に置いておくと、石の上には雪が積もらず、まわりの雪が解けました。

それを懐に入れておくと温かいので、冬の間はアンカとして重宝したそうです。

ただし、握りこぶしくらいの大きさでしたから、お湯を沸かすとか、湯たんぽがわりにはなりませんでした。

見た目は、普通の火山岩、おそらく安山岩のような灰色の硬い石でした。

じじいは、この石は放射能を持っているのではないかと疑い、持ち主に説明して、写真フィルムの上に二晩ほど置いておきました。

しかし、その後、そのフィルムを現像しても、放射線で感光した形跡はありませんでした。

不思議なことは、その石を握る人によって、その温かさ(温度)が異なっているように感じられたことです。

ある人が握ると、かなり熱いと言うし、ある人にとっては、まあ、人肌くらいかな、という感じです。

何か毒素を出しているかもしれないということで、その石をメダカを飼っている水槽にいれておきました。

メダカや水草にはなんの変化もありませんでした。

むしろ、それらは元気になる、成長が早まるような感じだったということです。

その石は、その後、どこかに売り払われたそうですが、じじいは、それを手に入れられなかったのを残念がっていました。

その石を見た後、じじいは、集めた石を握って発熱を確かめていたそうです。

欲が深いですね。

「いや、わしもさわってみたんやが、たしかにぬくかったんよ。あれはめずらしいもんやったけん、ほしかったんやけど、持ち主がしらんあいだにうってしもうてのう。まあ、ながいあいだもっちょったら、わるいことがおきたかもしれんね。」

と、じじいは未練がましく言ってました。

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