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石じじいの話・光りモノがでる橋
石じじいの話です。
光りモノがでる橋がありました。
それは山ぎわにある小川にかかった木の橋で、雨の後の湿気の多い夕方にその橋を渡ると、橋の下の方から、光った蝶のようなものがひらひらと飛び現れたそうです。
それは、蝶のような飛び方でしたが、形は、よくわからなかったということです。
捕まえようとしても、けっしてつかまりませんでした。
それは、2つ3つ出て、行く人にまとわりつき、おいはらっても少し距離をおいてついてきたそうです。
そして、知らない間にいなくなるのです。
ホタルではないかとも思われましたが、それよりも大きく、光の色が白く、飛び方が違っていました。
ホタルの季節(最盛期が5月下旬~6月上旬)でなくても出現するので、ホタルではないだろうと。
その光モノは、通行人の家まで付いて来ることもあったそうです。
そのときは、それが家まで付いて来て家に入ってくるのを恐れたので、その人は家には戻らず寺に立ち寄りました。
光モノは、寺の境内を飛び回り、庭の池の上で消え去ったそうです。




