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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・死人の使い

石じじいの話です。


じじいの知り合いのロシア人の話です。


「死人の使い」と呼ばれる人物がいたそうです。

どのような人物か?

それは、男で、上下黒い服を着た背の高い人物でした。

死人がでると、その死亡について、そして、葬式の日どりを、その地域の全戸に知らせて回るのです。

各戸の玄関で、いちいち、歌うように口上を述べるのです。

何月何日に、どこころのだれだれが、死にました。なお、葬式は何月何日です。

といったことを、節をつけて歌うように述べる。

まるで、日本の田舎の町内放送のようです*。

その男性が、どこの誰か知っている人はいませんでした。

どこからくるのか?どこへいくのか?

彼は、非常にひろい範囲を歩いて、人の死を知らせてまわるのですが、そんなに速くどうやって移動するのか?

これも謎でした。

さらに、かなり遠くに、その死人の大事な知り合いや親族がいる場合は、そこまでも、その黒い男がやってきて、その死を知らせるのです。

どうやって、そのような人々の存在や住所を知るのだろうか?

死神だという人もいましたが、それとはちょっと違うだろうという意見のほうが多かったそうです。

彼が知らせにやって来た家の人々は、彼を誰何したり、跡をつけたりすることはありませんでした。

何か神聖なものかもしれないし、彼の存在は便利だったからです。

これは、ウラル山脈南部での話なのですが、知り合いのロシア人によると、西シベリアにも、そのような者がいたそうです。

*私の田舎でも、防災無線を使った町内放送が毎日行われます。

これは、無線システムの動作確認も兼ねているのでしょう。

そこで、町役場からのお知らせや、弔事のお知らせがアナウンスされます。

曰く:

「KK部落【集落という意味)のXXさんがお亡くなりになりました。告別式はZZ日の午後AA時から。喪主はYYさんです。」

毎日、迅速に情報が伝わるので、けっこう便利です。

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