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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・ロシア人の話・ランプの油をなめる人

石じじいの話です。


朝鮮で知り合ったロシア人がしてくれた話です。


ランプの油を舐める人がいたそうです。

灯りの油を舐めるというのは、日本にもある話です。

深夜に行灯の油を舐める怪猫の話は定番ですね。

そのロシアの話では、舐めるのは石油ランプの油でした。

ランプの油は、鉱物油であり生物性のものではありません。

植物油や魚油ではないのです。

そのようなものを舐める、食べることは可能なのだろうか?

多くの人は、その人の行動を怪しみました。

その人に尋ねると、いつもではないが、ときどき急に舐めたいという激しい欲求に襲われるのだということでした。

舐めるのは、鉱物油でも、生物油でもかまわない。鉱物油のほうが、かえって美味だ、と。

医者によると、これは、食欲の倒錯とも言えるだろう。

妊婦やヒステリー患者に見られることがある。

栄養障害による脂肪性食物の嗜好というものがあって、平素は、粗食のみをとる生活だと、脂分を好むようになるのだ。

ひどい待遇を受けている売春宿の女性などは、この傾向がある*。

しかし、これは、生物油、つまり植物油や魚油を食べる例であり、鉱物油を食べるというのは珍しい。

ということでした。

*日本でも、抑圧されて、低栄養の生活を続け、精神的にも強いストレスに晒されている女性、そして、魚油を好む猫の行動が結びついて、怪猫の話が作られる、ということかもしれません。

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