石じじいの話・いくつかの短い話 13・自分の死を予言する子;縞模様
石じじいの話です。
短い話です。
(1) 四歳の子が、お盆のときに、「来年の今ごろに死ぬ」と言いました。
幼い子どもの言うことだからと、親たちは軽く思ったのですが、やはり気にはかけていました。
次の年、お盆になったが、その子が死ぬ気配はないのです。
まあ、当然でしょう。
父親は、その子に、「おい、去年、おまえは、このごろに死ぬなどと、変なことを言ったのを覚えているか?そんなことがなかったんで安心したぞ。」と言うと。
5歳のその子は、「いや、もうじき死にます。」と言って、その日から衰弱し始めて数週間後に死んだそうです。
もし、あの時、子どもに、そんなことを言って去年のことを話にのぼらせなかったら、あの子は死ななかったかもしれないと、親たちは悔やみました。
(2) 衣類や身の回りの持ち物などが全部、縞模様の人がいたそうです。
彼の着物や足袋、草履、靴、下着、帯など、すべてが縞模様のものでした。
さらに、彼が使っている食器や布団、座布団、ちゃぶ台なども縞模様でした。
べつに、奇をてらって、わざとしているのではなく、彼は、それが好きで好きでたまらないのだ、と言っていたそうです。。
赤白ストライプ好きの楳図かずお先生のようです。




