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石じじいの話  作者: Lefeld
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石じじいの話・死者をよぶ歌

石じじいの話です。


ある歌を歌うと、死んだ人に会えたそうです。

「ある歌」を歌いながら道をしばらく歩いて行くと、道端に会いたい死んだ人が立っているのだそうです。

その「歌」は、洋風のものだったそうですが、伝わっていません。

少なくとも、私の聞き取りノートには書かれていません。


質問:歌を歌いながら、どこを歩くのか?

答え:歩く道は、どこでも良い。

できれば、舗装されていないほうが良いが、それが絶対条件ではない。

人通りが無いか、非常に少ない道路がいいだろう。


質問:時刻は?

答え:いつでもいいが、人通りが少ない夜のほうがいいだろう。

しかし、真っ暗闇では、立っている死人の顔が確認できない。

灯りで、その人の顔を照らしても、見ることができない。

だから、人通りの少ない「たそがれどき」や「かわたれどき」が適している。

死人に会うことができれば、自由に話をするがいいだろう。

しかし、けっして彼らに触れてはいけない。


質問:会う人物は選べるのか?

答え:だいたいの場合、選ぶことができる。

あらかじめ、この人に会いたい、と強く念じておくことが必要だ。

また、会いたい人の生前の写真を懐に忍ばせておくのも一助となるだろう。


質問:どのくらい時間、会っていられるのか?

答え:場合により長短はあるが、長くても10分程度だ。

時間がたつと、彼らの姿は薄くなって消える。

また、声も小さくなって聞き取りづらくなり、また、意思疎通がうまくいかなくなり、会話がなりたたなくなる。


質問:何度でも会えるのか?

答え:会える。しかし、何度も頻繁に呼び出すと、彼らの姿や「人としての意思」が薄れてしまう。

節度をもって呼び出せ。

もう一度いう。

彼らの体に絶対にさわるな。

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