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石じじいの話・いくつかの短い話 11:汗をかく仏・花咲く鍬・蜃気楼
石じじいの話です。
日本の短い話をいくつか書きましょう。
(1) 春先に寺の仏像が汗をかいたことがあったそうです。
僧たちが毎日、一日に何度も仏像を拭いていたということです。
(2) 農家の鉄製の鍬から、草の芽が出て育ち、桜のような花が咲いたことがあったそうです。
これは、鍬についた土から発芽したのではなく、きれいに洗った鍬の鉄から生えたのです。
(3) ある漁村では、空に不思議なものが見えることが多かったとか。
漁村から、海の上の空をみると、多くの帆船が空を行き来しているのが見えたそうです。
また、たくさんの仏神の姿が飛行するのが見えたと。
これらは、蜃気楼ではないかということでしたが、水平線近くではなく、高く見上げた空に現れたのです。




