第六話 一日密着取材とか好きなんだけど同士居る?
午前五時、ミナト起床。
起きて顔を洗った後は、着替えてとある場所に向かう
日課の早朝素振りが始まる。
家の中や街中で剣をブンブン振り回す訳にはいかないので、王都に来てからの数週間はあっちこっちに行って場所を探していたが、先日理想的なスポットを発見することに成功していた。
まだ陽も上がりきっていない時間帯で、ひたすら剣を振るう。
(あれ、何回振ったっけ?まぁいっか)
一応最初は数を数えているが、結局気にしなくなるのもいつもの流れだ。
気が済むまで振れば、その後現在課題としている部分の鍛錬。
そんなこんなしていると太陽も姿を見せ始めており、人もぼちぼちと出てき始めた所で一時帰宅。
朝食を済ませれば、学校に向かう準備を始める。
(今日の時間割は…座学系多めだな)
忘れ物がないかをしっかりと確認してから、学校に向かう。
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学校には着いたが、まだ教室にはあまり生徒はいない。
「あ、ミナト君おはよう。今日も早いね」
「うん、おはよう。フレアさんも十分早いと思うけどね」
クラスメイトとのコミュニケーションも、少しずつだが増えてきていた。
(こんな風に特定の誰かとずっと居たりするのなんて、もう随分と無かったな…)
「今日座学系の科目多いよね…僕魔法座学苦手なんだよなぁ」
「あれ結構難しいし、苦手な人多いと思うよ」
「だよねぇ」
などと会話していると、何やら視線を察知。
それに気付いたのはミナトだけでもないらしく。
「ねぇミナト君、何かめっちゃ睨まれてるよ?」
「そんなこと言ったって俺なんも知らねぇよ」
コソコソ話し合う二人だったが、どちらも原因は分からなかった。
その視線を向けていたのは、先日の一件があったルチアである。
必死に自身の行動を思い返すミナトだったが、特に思い当たる節は無かった。
{お前が難しいとか言ってんじゃねぇよ}
という怒りだったらしいが、当然そんな事分かるはずもなく。
二人で必死に理由を探していたが、授業が始まったのでそれは中断された。
今日最初の授業は魔法座学。
内容は主に術式の事であったり、研究者達が発表した論文など、言葉の通り魔法の座学であり。
魔法への理解を深める授業である。
科目によって担当する教師は別なので、この科目では普段三年生の担任の教師が来ている。
「今回は魔眼についての授業だ。普段のテーマとは少し違うが、しっかりと学ぶように」
偶にこの様な例外的な内容だったりする時もある。
「魔眼とは生まれた時から本人に発現しているものだ。後天的に身に着けるような事は出来ない。
現在様々な種類の魔眼が確認されているが、未だに新しいタイプの物が見つかり続けている。
どの様な条件で魔眼を持って生まれてくるのかも分かっていない」
「ちょ、ちょっと待ってよ先生。種類は新しい物が未だに発見されてて、何で魔眼を持って生まれてくるかも分からない?それって何にも分かってないじゃん!」
「その通りだ、魔眼は未だに解明が進んでいない。三百年以上前、大魔法使いエルの登場によって人類の魔法技術は飛躍的に向上した。彼女は一人で人類の魔法技術を数百年分進化させたと言われている。
それから更に三百年経った今、当時よりも魔法技術は確実に進化している。
だが未だに魔眼については分からないことの方が多い」
「そ…そんな」
「魔眼以外でもそうだ。魔族と魔物の定義も明確化されていない。
神聖魔法が何故人間に使えるのか、使えないものとの差は何なのか。
魔王とは何なのか。勇者とは何なのか。
人類は未だに分かっていないことの方が圧倒的に多いんだよ」
(…俺はこの先生が好きだ。この人はとても賢い。
さっきの話に俺は共感した。人類は未だに知らない事が多すぎる。
あの質問をした奴の意見は至極真っ当だ。魔眼専門の研究者なども居るこの世の中、魔眼は既に知れ渡っている物だが、それはあくまで現在判明している事だけであり、そしてそれはあくまで表面的なものでしかない)
それからの授業は、いつもと少しだけ違う空気が流れていた
三年間ただ授業を受ければいいという訳じゃない。皆がそう思ったから。
今日は第四魔法学園の授業についてだよ!
科目は、剣術実践、魔法実技、魔法座学、魔法生物、魔法植物、歴史なども含む一般座学。
一般座学は数式解いたりとかします。この世界には魔法科じゃない一般の学校もあるけど、それらの学校で学ぶようなことが一般座学です。
ただ歴史に関しては、魔法科の方では昔の魔法使いや伝説的な冒険者などの事を多く取り扱ったりとかします。
あ、後第四魔法学園にはミナト達が通っている魔法科の以外にも、研究者志望の生徒が通う研究科や、魔道具等の作成など、物作りに特化した技術科などがあったりします。
今回は以上!