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忘却の勇者  作者: くろむ
入学編
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第四話 特異点

学園生活二日目、と言っても初日はまともな授業なんて無かったので、今日からが本格的な学園生活の始まりだ。


思い出すのは、昨日の出来事。


あの出来事は、今後のミナトの立ち回りを大きく変えることとなった。

______________________________________________


「特異点、ですか?」


「そうだ、学校側はそう呼んでいる。一つの突出した能力、って毎回言うのもなんだしな」


因みに命名したのは私だ、とどこか得意げに語っていた。


「でもよく入試試験だけで特異点だとか分かりましたね」


「確定した情報はほとんど無いがな。だから教員の中でも意見は割れている。

しかし、特異点に関して一つ仮説が立てられていてな。

今から十六年程前に、国内の幾つかの地域に人工的な霧のようなものが発生した事があったんだよ」


(ああ、確かとある研究者が小さな村から、そこら辺の森、王都なんかにも謎の物質をバラまいたって事件があった、とか見たことあるな)


「その事件の後、まだ幼い魔物が異常な程強いっていう噂が、特に霧の発生した地域の近くで多く見らたんだとか」


「それが一体何の関係が?」


「…まだ卵の中にいた魔物、もしくは母体の中にいた個体にのみ影響を与える物質だったのではないか、と言う仮説が当時あった」


「つまりそれは人間にも該当して、今の世代がその影響を受けているかも、って事ですか?」


「まあだいたいそんな感じだ。だが最初にも言ったがこれはあくま仮説であって、確定した情報って訳じゃない」


______________________________________________


(特異点、、か。先生は各生徒の特異点も探してほしいって言われたけど、ある意味好都合か)


「…おーい?」


(監視役の役割上生徒についても調べやすくなるし、先生の協力を得られる場合もあるかも)


「ミナトくーん?」


(もし≪呪い≫が解けたら、、)


「もう行くよー?」


(ここは…)

そんな考え事しているとミナトの目前には攻撃が迫っていた。


「うおっっ!!」


何とか躱す事に成功するが、相手の攻撃は止まらない。


次々に襲い掛かってくる攻撃を何とかいなしていく。


(ちょ、こいつ!速!)


体制が崩れる前に相手の剣を大きく払うことに成功し、何とか体制を立て直す。


「あはは、いきなり行っちゃってごめん。一応何度も声は掛けたんだけど返事無かったからさ」


「ああいや、ボーっとしてたこっちが悪い。すまんな」


今は剣術の授業の時間。


考え事をしていてボーっとしていたミナトだったが、その後は真剣に授業に取り組んだ。


______________________________________________


「えっと、、アイク君で合ってるよね?」


「そうだよミナト君」


「お、よく名前スッと出てきたね」


「まぁだってヤマト族でしょ?珍しかったし、それにね。

君の入試試験見てたんだよ。それで覚えたかな」


「へー…よく見てるもんだね」


「僕がというよりは、あれは皆見てたよ」


「マジで?でも別に嬉しくもないな…」


授業が終わり、休み時間の間二人は会話を弾ませていた。


お互いがお互いの実力を認め合い、直ぐに意気投合したのだ。


「あ、ごめん僕この後行くところあったから行くね。また」


「おう、またなー」


アイクと別れ一人廊下を歩きながら考える。


(アイク・ヘルモーズ、だったかな?苗字は。彼も特異点があるみたいだが…なんだろう、素早さ?というかスピード?とにかく動きがとにかく速かった。

今はまだ足りない要素も多いがもし今後成長していけば…)


「おっといけね、また考え事してた」


さっきの件を反省しているらしい。


(ここ廊下だ、もしかしたら人とぶつかるかもしれないしな)


なんてべたな事を考えていると…。


「わっ!」

「うおっ」


(…)


曲がり角で荷物を持った人とぶつかって尻餅をついてしまった。


「っと、怪我はないですか?」


「ああ、はい。それは大丈夫なんですけど。ぶつかちゃってすいません!」


「いえいえ、ぶつかってしまったのはこっちですから」


「あの多分今、私を避けることも出来たと思うんですけど。そうしなかったのは…」


「!こっちがぶつかってしまったんですから。それよりよく今の一瞬で分かりましたね」


「まぁ私の特技みたいなものですから…。それよりあなたは確か」


「そう、同じクラスのミナト。君は?」


そういい彼女手を差し伸べた。


「フレアって言います」


起き上がると、二人は落としてしまった荷物を共に拾い、その場を後にした。


______________________________________________


(もしかするとフレアさんも特異点持ってるかもって事か…。何か恐ろしいなこの学年)


この学年の特異性を身をもって知っていってるようだ。


(アイクも凄まじいポテンシャルを持ってたしな。後気になる生徒は…)


そう考えながら教室に戻り、一人の人物に目を向けていた。


(同じクラスもいるルチア・ソール。そして今年度主席入学者のクロム・ドンナー)


魔境のようなこの学園だったが、だからこそミナトは確信していた。


確実に鍵がここにあると。


自身が求めていたものは近くに必ずあると。

今回出てきたヤマト族について。

ヤマト族とはまぁ言ってしまえば日本人みたいなものです。

特徴として童顔が多いことと、名前が挙げられます。

ヤマト族は人数が少なく、「一度も見たことが無い」という人も全然いたりもします。

それと、ヤマト族は集まって生活している場合が多く、「里」と呼ばれる場所が世界に幾つか存在していたりもします。

以上解説終わり!


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