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忘却の勇者  作者: くろむ
入学編
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第三話 恐怖と困惑と疑念が密集してるの面白いよね

(どうしてこうなった?)


彼。ミナトは無事魔法学園に入学することは出来はずだが…。


(状況を整理しよう。

今日は入学式の日。式が終わって、教室で学校の説明を受けて、そのまま帰るはずだった)


彼は今自身が置かれている状況についてあまり理解が追い付いていないようだ。


彼は今、生徒指導室の前にて佇んでいた。


______________________________________________


(っし、俺も帰るか)


入学式が終わり、学園生活初日が終わりを迎えようとしていた所。


「あ、そこのー…」


帰る直前、担任教師に引き留められる。


「えっと、、俺ですか?」


「そうそう、君君。後で生活指導室に来なさい」

(なんで?)


何故?という言葉が真っ先に思いついたが、了承する以外の選択肢など無かった。


「え?何あいつ、もう何かしたの?まだ初日だぞ?」

「もしかしてヤバい奴なのか?」


勿論周囲の生徒も困惑の様子だったが、何よりも呼び出された本人が驚いていた。


(本当だよ。今日入学式だぞ?俺なんかしたか?

もう周りの連中にめっちゃ言われてるし)


心当たりは無いがとにかく行くしかないので、今日の自分の行動を思い出しながら生徒指導室に向かうことに。


______________________________________________


(やっぱ何の心あたりもないな)


何て考えていると呼び出した本人がやって来る。


「もう来てたのか、迷わなかったか?」


「さっきほかの先生に聞いたら教えてくれましたよ」


その教師が不思議な気持ちで場所を説明したのは言うまでもないが。


(この人が担任ってのは良かったんだけどなぁ…)


先の入試にてミナトの剣術試験の試験官を行っていた彼女、ミケーレが担任の教師だった事は彼含めて多くの生徒が喜んでいた。


ミナトなどと同様に、彼女の実力を知っていたので喜んだ者。

彼女の美貌から幸せを嚙み締めた生徒も中には居たとか。


「まぁいったん座ってくれ」


扉を開け、明かりをつけ、席に座るよう促す。


至って普通の行動でしかないが、ミナトは警戒心を強めていた。


(今結界を張ったな。効果は音の遮断と、、探知魔法の妨害ってとこか?)


明らかに普通ではないが、明確な敵意などはは感じない。


何か武器を携帯しているわけでもなく、特別な魔道具も置かれていない。


「あの、それで自分はどうして呼ばれたんでしょうか」


ミケーレはその問いに少しだけ間を空けてから答えた。


「そうだな。早速本題に入っていくが。お前に生徒の監視役を頼みたい」


「監視役…ですか?」


いきなり飛び出してきた言葉にミナトは困惑している様子だった。


「まぁ監視役と言っても、頼みたい事はそんなに難しいことじゃない。

よく周りの様子を見てそれを私に報告してほしい」


「えっと、、まだよく分からないですね。どうしてそれをわざわざ自分に?

あとそれは先生方のお仕事では?」


「それはまぁそうなんだがな…。少し長くなるがちゃんと一から説明するから聞いてくれ」


その言葉に頷き、話の続きを聞いた。


「今年の入試試験は中々に面白くてな。結果の面を見ても、内容を見ても色々特殊だったんだよ」


「特殊、、ですか」


「ああ、例えばお前とも同じクラスのルチア・ソール。彼女は魔法科目で史上初の満点評価を叩き出した。

他にも筆記試験満点の生徒や、今年の主席入学者のクロムなんかは総合得点歴代一位にもなった」


「逸材が揃ってるじゃないですか。それで、内容がどうこうっていうのは?」


「内容というか、一つの分野が突出した生徒が多かったんだよ。

例えば、成績自体は普通だったが特殊な魔法を打ってたり、剣術試験でも何というか、、、長所がめちゃめちゃ強いやつが多かったんだよ」


「…なるほど?」


「因みに内容に関してはお前もかなり印象的だったぞ?」


「自分がですか」


「ああ、筆記試験では数式問題などの一般座学はいまいちだったが、歴史と魔法理論に関してはほぼ満点だったしな」


(いまいち…)


「剣術試験は特に素晴らしかった。まるで剣に人生を捧げた剣聖のようだった。

とてもその年の少年は思えない程完成されていたものだ」


「少し引っ掛かる言い方ですね…何が言いたいんですか?」


先程まで重くなかった雰囲気が一気に変わる。


重く、鋭いに雰囲気の中彼女が問う。


「お前…まさか魔族なんかじゃないよな?」


とても教え子に向けるものではない目線で見つめるミケーレと、決して目を離さないミナト。


暫くの沈黙の後、両者は同時にため息をついた。


あれ程重かった雰囲気も消え、殺気にも似た何かを纏っていた彼女も、今や別人にも見える。


「安心してください、魔族なんかじゃあないので」


「…魔族なんかじゃあない、か」


何かを考えながら、小さく笑みを浮かべていた彼女にミナトはもう一つの答えを出す。


「監視役の件は引き受けます。だいたい何をすればいいかも分かりました。

要はシンプルに優秀ってだけじゃない、高い潜在能力を持った生徒達をしっかりコントロールしたいっていう事ですよね?」


「あ、ああ。だいたいそんな感じだ」


「それで教師だけじゃなくて生徒側にも協力者が欲しいと」


「…話が早くて助かるよ」


ミナトの吞み込みの早さに少し驚いていた様子だったが、

{元々優秀だと思って依頼したんだし}と思い、それ以上は考えなかった。



予期せぬ出来事もあったが、ここからミナトの学園生活が始まる。


自身に掛けられた≪呪い≫を解くための鍵を探す生活が。

本編では触れないけど、言っておいた方が世界観が良く分かる様な話ってのをここで書くんじゃないかなと

そう思ったから次回から補足とか、細かい設定とか書いてくからよろしくー

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