第二十四話 個人戦スタート!
「どうした!?避けるだけで精一杯か?だが避けるだけでは敗北という運命からは逃れられんぞ!!
我が最強の技死の風は貴様を敗北という運命に誘うからなぁぁ!!」
試合が始まってもハイテンションのまま叫び続ける相手の攻撃を避け続ける。
(ふむ。死の風とか言ってたけど、要は風の魔眼ね。確かに自信を持っていい位の威力してるけど…)
相手の猛攻を躱しつつ様子を見していたミナトだったが、もうその必要は無いと剣に手を伸ばす。
そして攻撃の隙を見極めてから縮地を使い一気に間合いを詰める。
(全体的に攻撃が荒い、隙だらけ)
「はい終わり」
背後に回ったらそのまま相手のバリアを破壊。
『し、試合終了です!一瞬でバジル選手の背後を取ってミナト選手バリアを破壊!
魔眼を使ったバジル選手の猛攻!そしてそれを躱して一瞬で勝負を決めて見せたミナト選手!
正に初戦に相応しい熱い勝負!』
「そんな…敗北の運命は…この俺にあったというのか…」
「あんたいい技持ってんだから、技術を磨いたらもっと強くなるよ」
ミナトの勝利により、一回戦第一試合終了。
試合を終え観客席に戻ろうとすると、第二試合に出場するフレアとすれ違う。
「…頑張ってね」
「うん、絶対会いに行くから」
とだけ言って、二人はそれぞれ行ってしまった。
互に不要な言葉は要らないと、分かっていたから。
『さぁお次の試合は第一魔法学園ゼノ選手対第四魔法学園フレア選手の一戦です!』
{あのゼノって人、、確かミナトが第一の人と話してた時にも居たような…最後あの人が何かを言って第一の人達行っちゃったんだよな}
試合を観戦していたアイクは、見覚えのある顔をしていたゼノについて思い出していた。
団体戦での活躍も含めてミナトの実力が通用するのは分かっていたが、フレアが果たしてどこまで戦えるのか。観戦していたクラスメイト達が考えるのはそこであった。
「それでは試合開始!」
審判が両選手にバリアを貼り、試合開始の合図を鳴らす。
「悪いが手を抜くつもりはない、勝てないと思ったら直ぐに降参してくれ」
「気を使って貰わなくても大丈夫です。ちゃんと勝ちに行きますから」
そうか、と言ってゼノは地面に右手をつけ魔法を発動。
土属性の魔法を使って高速の石を連続してフレアに飛ばしていく。
『さぁこの試合先に攻めるのはゼノ選手!土属性魔法で攻めていく!
先程の試合と似たような光景であります!またしても第四魔法学園の生徒は受けに回っている!』
(皆のいる席まで戻ってられねぇな、ここからでいいか)
何とか試合の見れる場所まで来たミナトも観戦を始める。
(…あいつかなり出来る奴だな。でもその程度の攻撃じゃ…)
次々と石を飛ばしていくゼノであったが、当たらない。
攻撃がことごとく躱される。
{うん、大丈夫。ちゃんと見えてる}
『あーっとこれは凄い!ゼノ選手の連続攻撃を全て躱しきっている!先程のミナト選手とは少し違った避け方ですがこちらも凄いぞー!」
{今ので当たらないか…だったら更に手数を増やす!}
両手を地面につけ、更に多くの攻撃を飛ばすゼノだったがそれでも、当たらない。
(恐らくフレアの特異点は目、と言うよりも動体視力だ。
最初に廊下でぶつかった時から妙だと思っていたが、剣術授業で相手をして分かった。
あの回避能力は異常な程の動体視力によるもの、そしてその彼女に攻撃を当てるのは至難の業だ)
{連打じゃ当たらないな…なら次は範囲を広げる!}
このままでは攻撃が当たらないと判断したゼノは石ではなく、岩を地面から隆起させる魔法に切り替える。
次々とフレアの足元に岩が形成されていく。
{これが当たったら多分一発で負けだよね…。そろそろこっちから攻めに行った方が良いかも}
そう思いフレアは距離を詰めに行く。
足元から生えてくる岩達を躱しながら少しずつ前に。
『ここでフレア選手が攻めに行きます!攻撃を躱しつつ前へ、前へと進んで行きます!』
{これでも当たらないか…正直見くびってたよ、すまなかったな。
これはあまり使いたくなかったが…}
『当たらない!攻撃を全て躱していきます!まるで舞を踊っている様にも見えるほど綺麗に躱しきっております!しかしゼノ選手の顔にはまだ焦りは見えません!まさか秘策でもあるのでしょうか!?』
その後一旦攻撃を辞め、距離を離す為に大きく下がるゼノ。
「あんたは俺が思ってたよりも強かった、だから俺はこの技を使う…悪く思うなよ」
そう言ってゼノはこれまでと比べ物にならない程の魔力を込める。
(マズい来る!とてつもない何かが!)
試合を見ていたミナトにも危機感が伝わるほどの何かをしようとするゼノ。
{一体何を…でもその前にバリアを壊せば!}
そう思い走り出した次の瞬間。
地面からの攻撃を察知したフレアは回避しようとした…が。
フィールドの半分以上を占める程の範囲と高さを誇る岩が隆起した。
『な……なんだこれはぁ!??もはやフィールドがよく見えません、それ程巨大な岩が出現しました!
果たしてフレア選手はどうなっているのか!?我々からでは状況が掴めません!』
巨大な岩の中のフレアを探す審判が、ゼノに岩を戻せないかと問う。
可能だと言ったゼノは岩を元に戻し、そこには倒れており気絶していたフレアが。
「そんな…噓だろ?」
観客席にいたアイクも状況を理解し、絶句。
(幾ら動体視力が良かろうが、あれ程広範囲な攻撃など避けられない。
特にバリアが割れれば負けのこのルールでは最強クラスの攻撃だ)
「…試合終了、勝者ゼノ!」
倒れていたフレアに駆け寄った審判はゼノの勝利を宣言。その後すぐフレアを医務室へ連れていくよう指示を出した。
バリアもあったので重症とはならないが、決して軽傷とは言えないダメージ。
しかし回復魔法を使えば直ぐに完治できる怪我であったが。
試合を見終わり拳を握り締めていたミナトは、次の試合が始まる前に皆のいる観客席に向かった。
(次の相手はあいつか…例えどんな奴が相手でも特に変わることは無い。ただ勝つだけだ)
本当に何も変わるものが無いのか、そんな事は聞かなくても分かるだろう。
彼の握り締められた拳を見れば。
今回は個人戦の出場者についてだよ!
この大会はトーナメント方式で、人数は三十二名。
各校六名が選抜選手として出場し、二校だけが出場者を七名に増やすことが出来る。
出場者を増やす条件は去年の個人戦の結果次第。
例えば、去年一年生の個人戦優勝者が第一魔法学園所属なら、翌年の第一魔法学園一年生の選抜選手は七人。二位の学園も七人出ることが出来ます。
要は去年の先輩方が一位か二位を取ってくれてたら来年の出場者が一人増えます。
第四魔法学園は去年先輩が二位を取って来てくれていたので選抜選手が七人いたんですね。
今日は以上!




